働きやすい明るい店舗に改装。利用者さんも張り切っています
平成18年、兵庫県加古川市にある寺家町(じけまち)商店街の空き店舗でスタートした軽食、喫茶の木立。利用者さんの仕事は、厨房でのお弁当の盛りつけや食器洗い、ホールでの接客、掃除などです。しかし狭い厨房、動きにくい間取りのため、注文が集中するとうまく対応できないことも。「売上は伸びず、バタバタと忙しいだけ。利用者さんの出勤率も悪くなり、なんとかしなければと実践塾に はいったのです」と塾生の杉山悦子施設長。塾で学んだことを活かし、事業改革プランを練りますが、なかなかよいアイデアが浮かびません。そんなある日、亀井塾長が視察に訪れます。「塾長が来所された平成25年の3月5日は、私たちにとって歴史的な日になりました」。亀井塾長は、売上を伸ばすための働きやすい店舗にする改装案と、クッキーの製造販売をはじめることをアドバイス。「塾長の一言で、施設の代表も一歩踏み出す決心をしてくれました」。
昨年8月末に行った改装工事で、休憩室を潰して壁を取り払い、広く動きやすい厨房へと変え、クッキーを製造するスペースも確保。物置だった2階に、休憩室とクッキーの袋詰めなどができる作業室をつくりました。また、ホールと厨房の仕切りをガラス張りにし、利用者さんの働く姿が見えるオープンで明るい店舗に一新しました。「工事の後、掃除やビラ配りなどの開店準備に大忙しでしたが、自分たちの新しいお店ができると利用者さんも意欲的に動いてくれました。9月からは、新たにモーニングとイブニングサービスを開始し、多い時は70人近いお客様が来店。利用者さんの出勤率もぐんと上がっています」。10月の売上は約104万円。給料も25年度平均月額1万4948円から50パーセントアップの2万2000円になりました。
クッキーづくりは、パティシエの資格を持つ利用者さんが担当し、シュークリームなどの新商品にも挑戦中。杉山さんは「食事、お弁当、クッキーの3つを一緒に成功させ、塾長とお約束した給料増額と就労継続支援 B 型事業所への移行を達成します」と元気一杯です。
行け行け木立、と改装した店舗の前でやる気満々の職員と利用者さん
地域の方や市の障害者支援課の方などが大勢お祝いに駆けつけました
パティシエとして活躍する西嶋健一さんと杉山悦子施設長
「笑顔を絶やさずに」とお祝いの言葉を贈る亀井勝塾長