お客様をもっと呼び込み定着させ利用者さんの月給を5万円に
平成16年に開所したコンパスは、野菜の栽培やパンの製造販売などを行ってきました。市役所、消防署、個人宅への配達を主に販売していますが、なかなか売上数は伸びません。そんな時、参加したパワーアップフォーラムで「給料が上がると利用者さんの生活がどう変わるか、実際に高い給料を払って自分の目で確かめてほしい」との武田塾長の言葉に入塾を決意。塾で学んだことを全職員に伝え、PDCAなどを実践してきました。また、職員は武田塾長の施設に修業に行き、美味しいパンづくりの技術を学び、製造数も約2倍に向上できました。営業にも力を入れ販売先を18ヵ所に拡大。昨年10月には月給3万円に到達しました。現在は、販売や配達も含め14人の利用者さん全員がパン事業に参加しています。
「施設の前の団地だけでも約2800世帯、他にも9100世帯の団地が周辺にあります。地域のかたたちに焼きたてパンや塾生からの仕入れ商品の魅力を知っていただきたいと、敷地内にテントを張り、火曜、木曜、土曜市を開催しました。すると常連さんもでき、確かな手応えを得ました。気軽に入店し、買い物ができる常設店をつくれば、よりたくさんの人を呼び込める、そう考えたのです」と塾生で管理者の中村由美さん。武田塾長も「塾生たちの商品のアンテナショップになる」と応援。
「12月に助成を決定いただき、急ぎ走り出しました。内装まで気が回らなかったのですが、再度来店いただくには内装もきれいにと職員の意見があり工夫しました。もしも助成がなくても自分たちでつくろうと決めていたくらい、職員も利用者さんもやる気満々です」。
オープン初日の売上は計275個、約3万円。仕入れ商品も3万円以上を販売しました。
「事前に配布したチラシの効果もあり、はじめてのお客様がたくさん来店されました。このお客様を定着させることが課題です。今後はパンの種類を増やし、販売車の導入も検討。目標の月給5万円にできた時、利用者さんがどんな笑顔に変わるのかとても楽しみです」。
塾長コメント、武田塾長が行く
より多くのお客様に商品の魅力を伝える
周辺にたくさんの人が住んでいることが、コンパスの最大の財産。今後は、いかにしてこの人たちを直売所に集め、商品を買っていただくかです。商品力があれば、お客様はまた来店してくれますし、その魅力を口コミで伝え、さらなる集客につながります。全職員が必ず給料増額を達成すると覚悟を決め、よりよい商品開発やPR、営業方法などの戦略を立て必ず実践してください。
塾生メモ NPO コンパスの会 コンパス
- 武田塾:1期生
- 対象事業内容:手づくりパンや仕入れ商品、新鮮野菜の直売店設置事業
- 平成25年度売上:3,501,966円
- 平成25年総支給額:月額平均給料 1,814,150(15,118円)
- 利用者人数:14人
- 助成内容:ユニットハウスによる常設店設置資金
- 助成金の種類と金額:平成26年度 夢へのかけ橋 事業改革モデル化資金 2,858,297円
- 事業形態:就労継続支援B型
- 利用者種別:知的
常設の直売店が完成、オープンには武田塾の塾生たちも駆けつけました
利用者さんの手づくりパンを販売
店には塾生から仕入れた商品も並ぶ
「この環境を活かす工夫を」と塾生の中村さんを武田塾長が激励