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初日、武田塾長は「原価60円の商品を100円で売りたいなら、40円の付加価値をつくらなければなりません。いかにしてより高い付加価値を生み出すか、それが職員の仕事であり、圧倒的な商品力こそ、給料増額の決め手になります。同じように学んできた塾生でも成果が異なるのは、だれのためにこの仕事をしているのかを、どれだけ強く自覚しているかの違いにあります。全職員がなんとしても目標を達成するという覚悟を決め、あと半年、懸命に取り組んでください」と塾生に決意を促しました。
翌日は、3月7日に直売所をオープンしたコンパスを見学。塾生は、コンパスの置かれた状況や環境を見ながら、自分なりの改善策を考え意見を交換。それを参考に、自分たちの施設で今後なにをおこなうべきかを検討しました。
コンパスがオープンした直売所で実地見学会を開催
亀井塾では、塾長が昨年末から視察してきた各塾生の施設に対する報告からスタート。
「みなさんに共通している弱点は、ぱっと見た時に、なんのお店かわからないことです。これではどんなによい商品をつくっていても、お客様は集まりません。お客様が知りたいのは、施設の名前ではなく商品の名前。早急に、なんのお店か、を明確にした看板づくりや宣伝を開始してください」と課題を出しました。
翌日は、全塾生が来期の事業計画を発表。「本当にPDCAを展開できているのか。職員全員で考え、行動しているのか。経費、原価計算はきちんと行っているのか。その結果から生まれた利益が、利用者さんの給料になることを忘れないでほしい」。この亀井塾長の言葉を胸に、塾生は目標達成に向けて走り出しています。
視察した各塾生の改善点をアドバイスする亀井塾長
仕事のライン化で生産性を高め、利用者さんの働く場の拡大を目指す新堂塾では、5Sのノウハウも取り入れています。第6回新堂塾では、改めて5Sについて新堂塾長が講義しました。
「5Sの徹底で、無駄をなくす、仕事の効率と質を高める、在庫の回転率を上げる、宣伝効果を高める、社員のモチベーションアップといった効果が生まれます。5Sは、単に清掃、整理整頓をおこなうだけではなく、決めたことを守るという風土づくりにもなり、すべての生産活動の基本となるのです」。
また、昨年末にはふたつの施設で見学勉強会を実施。塾生同士で改善案を交換し合いました。こうしたノウハウを活かし、あと半年、塾生たちはそれぞれに事業改善を進め、給料増額の数字で結果を出そうとしています。
5Sは整理整頓だけでなく、生産活動の基本。写真下は工房はづきの見学会
楠元塾では、1月22日から23日に先行して成果を上げている塾生、徳島クレエールを訪れ、見学勉強会を開催。塾長が改善点をアドバイスし、他の塾生もそれぞれ課題を持ち帰りました。
その課題をどう解決しようとしているのか、第3回楠元塾では、全塾生が現在の取り組みを報告しました。その内容は、製造原価の正確な把握、衛生管理の徹底、さらに売れるお弁当を目指したメニューや盛りつけかたの改善など、さまざまです。
「半年が経って次第に成果も現れてきました。この成功例をひとつひとつみんなで真似ていきましょう。経験し失敗したこともすべて共有することが、全塾生が成功する近道になると思います」と楠元塾長。塾生たちの表情には、経営者としての自覚が現れはじめています。
各塾生の課題も見えてきたと話す楠元塾長、写真下はクレエール見学会