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受賞者を訪 受賞者を訪ねて

お菓子で社会参加、社会復帰の道を拓く

精神障害者が地域で暮らしていくために、様々な仕組みを展開してきた西谷さんを訪ねました。

社会福祉法人はる:常務理事、西谷久美子さん

社会福祉法人はるの理念

語る、創る、暮らすを基本に私たちは、働くことを通じて自己の誇りと自分らしい人生を取り戻し、周囲(ハタ) の人と共に楽しく生きることを実践し、障害の有無を越えて生きる楽しさを共有できる社会や地域づくりを目指します。

平成26年度実績

パイ焼き窯は、やり遂げることを重視

社会福祉法人はるの各部門は、利用者に必要なリハビリに合わせて選択できるように仕事が工夫されています。パイ焼き窯の菓子班では、ひとつのレシピについて材料の計量から成形までひとりで担当し、最後まで責任を持って仕事をします。分業ではないので対人関係が苦手な人も、落ち着いて作業しています。おのずと焼き上げたお菓子の出来具合が自分自身の振り返りとなって仕事に対する基本的な力がつくように工夫されていました。

くつろげる雰囲気も就労支援の工夫のひとつ

東急大井町線の尾山台駅そばにあるパイ焼き茶房は、客席の空間を広くして、お客様がゆっくり過ごせるようになっています。より一般の事業所に近い形で仕事をできるようになっていて、接客をとおして能力や自信を回復して就労を目指します。お店の雰囲気にお客様にも余裕が生まれ、利用者は緊張しすぎることもなく接客できます。ここにも、西谷さんらしい配慮が行き届いています。人気のお菓子はアップルパイ。世田谷産のリンゴを使い都会で地産地消を楽しむことができます。

クロネコ DM 便の配達が自信をつける

会社などで働くことよりも安心して仕事をしたいと考える人に働く場を提供している しごとも。主な業務はクロネコ DM 便配達や清掃業務などをおこなっていて、一人暮らしを実現できている人もいます。室内にはクロネコ DM 便配達のためにしつらえた仕分け棚があり、生産性が高まる工夫もされています。ヤマト福祉財団の障害者のクロネコ DM 便配達事業を開始するときには、リーフレットやポスターに しごとも のみなさんが登場しました。この街で、一緒に生きていく という言葉は しごとも のみなさんからイメージしたものです。

静かに佇むグループホーム、とどろきの杜

リハビリテーションの重要な柱のひとつが、一人暮らしのトレーニングです。グループホーム、とどろきの杜では、3年間の入居期間の間に暮らしのリズムを整えて、生活保護申請や賃貸アパートの契約なども支援してもらい、ひとりずつ巣立っていきます。交流室はまるで家庭のリビングルームのようで、一人暮らしの不安を解消できるようになっています。

障害のある人の回復を支えて、働くことをとおしてきめ細やかな仕組みを備えた社会福祉法人はる。働くことによって得られるものを大切にしながらも、障害のある人を支援する視点はとてもやさしく感じられました。

とどろきの杜の交流室で、グループホーム管理者小松原真奈美さんの説明を受ける。少しずつ利用者のできることが増えるとき、支援者としてやりがいを感じるそうです。

パイ焼き窯の作業室は、個々に作業できるようにテーブルが配置されています。

パイ焼き茶房のスタッフと西谷さん。パイ焼き窯のショートケーキが並んでいます。

しごとも の仕分け作業室で管理者の臼井崇晃さんから説明を受ける瀬戸理事長。配達順序の計画が立てやすいようにテーブルが配置されています。

一番人気は、世田谷産のリンゴを使ったアップルパイ。大きさでも人目を惹きます。

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