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受賞者を訪 受賞者を訪ねて

地域に残った障害のある人が暮らし続けていくために

障害者の賃金向上のため、果樹園再生で実績をつくった林博文さんを訪ねました。

特定非営利活動法人ピアファーム、理事長:林 博文さん

特定非営利活動法人ピアファーム経営理念

  1. 働くこと、学ぶこと、かかわることを大切にしていきます
  2. 地域の人たちと共に農業の振興、活性化を図ります
  3. 良質で安心安全な商品(梨、ブドウ、野菜) づくりをめざします

平成26年度実績

美しい坂井北部丘陵地に広がる果樹園

福井県あわら市の小高い丘陵地にピアファームの果樹園はあります。周辺には、森が広がっていますが、そこもかつては農地だったところだそうです。ピアファームはそんな荒れた農地を再生して果樹園の拡大をしてきました。農水省の認定農業者を福井県(北陸農政局管内)の NPO として最初に取得し、福祉的な経営から脱却して本格的な農業経営の道をたどっています。

梨園とハウス葡萄合わせて33875平方メートル、約1万坪の広さに初夏から晩秋にかけて収穫が続くように梨12種、葡萄22種が計画的に栽培されています。訪問した11月は、収穫も終わり、翌年のための堆肥いれがおこなわれていました。

農業に必要な人手とは

果樹園は年間を通じて管理する必要があります。収穫後にまずおこなうことは、降雪するまえに梨の木に堆肥をいれること。675本の梨の木のひとつひとつへ丁寧に堆肥いれをおこないます。一輪車で完熟堆肥を運びこみ、レーキで周囲に広げる作業は、5人の障害のある人がおこなっていました。これからは、葡萄の木115本の枝の剪定が始まります。営農規模が大きくなると効率が良くなる半面、季節の移り変わりに合わせた作業のため人手がより多く必要になってきます。林さんは、梨や葡萄という商品価値の高い作物を選び、人手に見合った収入をあげることをめざしています。

産直市場で地域の生産者と消費者をつなぐ

ピアファームがスーパーの経営を引き継ぐことになったのは、超高齢化した地元住民のためでした。少しでも安く品物を提供するために地元農家の野菜や精肉店の肉を直接店頭に並べる産直形式とし、生産者や商店からも信頼されるマーケットを目指しています。障害者も事業継続の柱として品出しや野菜の小分けなどの作業に追われていました。

夢の果実の実現を目指して

地域の人々と共に暮らすため、農業の活性化と振興という大役を担うピアファーム。地域の振興からさらに福井県の名産として梨や葡萄が夢の果実になっていくことが期待されています。

梨の木の周りに円を描くように堆肥をいれていきます。

果樹園は丘陵地にあるため日の出から日没までたっぷりと日が射します。

広々としたビニールハウス:葡萄の木が広く枝を伸ばせるように、林さんは屋根を連接させた特別な構造にしました。

産直市場ピアファームの店内。開店直後から買い物客が訪れています。

訪問したときは、新米が入荷していました。特設コーナーを設けて、地元農家さんへの配慮に怠りはありません。

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