障害福祉サービス事業所 田面木(たものき)の家, 就労継続 B 型
パン工房の増築工事、デッキオーブンと作業台の購入
- 平成26年度平均給料, 24,498円、16人。
- 平成29年度目標給料, 31,481円、18人。
取引増が見込まれるチャンスに生産量を拡大
田面木(たものき)の家 の事業の柱は、パン、クッキーの製造です。
受託業務だけでは満足した給料を利用者に支払うことができないと、手作りパンの製造業務を始めました。パンの製造工程では、器用さが必要な細かい作業、計算が必要な作業、繰り返しが必要な作業など、さまざまな工程があり、利用者さんの能力に合わせることができる業務です。
日曜以外の毎日、手作りの菓子パン約300個、食パン70斤を焼き上げます。販売先は、八戸市内のスーパー、市民病院や市役所の生協関連ストア、学校や福祉施設などです。2014年度は毎月約80万円を売上げ、月額平均2万4000円の給料を達成しました。
新商品の塩パンをはじめ、お客様の評価も高く、青森県南に8店舗を展開するスーパーと昨年から取引を始めましたが、さらに納品する店舗を増やしてほしいとのうれしい依頼を受けています。
この好機を活かすには、現在の手狭なパン工房の生産規模を拡大しなければなりません。パン工房の増築、作業スペースを1.5倍に拡大し、オーブンなどパンを焼くための設備を追加することで、生産量を一気に約2.5倍に引き上げる計画です。
ごきげんファーム, 就労継続 A・B 型
ビニールハウス4棟、ハウス用トラクター、1.5トン トラックの購入
- 平成26年度平均給料, 25,028円、56人。
- 平成29年度目標給料, 40,667円、50人。
仕事量、品質の季節変動を設備投資で克服したい
茨城県つくば市で2011年より農福連携に取り組んでいる「ごきげんファーム」。特徴は、少量多品種の有機栽培です。近隣の耕作放棄地約5ヘクタールを利用し、100品種以上を手間暇かけて生産。流通マージンの低減を狙い、ネット販売などを中心にさばいています。
しかし課題となっているのが、季節による作業量の変動です。7-9月期は作業時間が膨大になるほか、野菜の病気も発生しやすい。10-11月期は収穫量が大きく下がる一方、雨や寒さのせいで思いどおりの作業ができません。これを解決するには、ビニールハウスの導入と機械化が有効と決断しました。
就労支援事業所 かしのみラボ, 就労継続 B 型
運搬車両、果実乾燥機、プレハブ冷蔵庫等の導入、設置
- 平成26年度平均給料, 26,084円、13人。
- 平成29年度目標給料, 50,000円、22人。
地元特産フルーツの加工で、次のステップを目指す
2012年に参加した当財団のパワーアップフォーラムで 脱下請 を痛感。すぐさま行動に移し自主商品づくりを手がけた、かしのみラボ。地元素材を生かした、モノづくりをコンセプトに、ドライフルーツの開発に着手しました。2014年には当財団の助成100万円で、一度に600キログラムの果実を処理できる大型の食品乾燥機を導入。初年度は560万円の売上でした。販路開拓で取引先は50社を超えます。
計画的な生産を可能にするために、自社工場がこの4月に完成。2017年度にはドライフルーツ事業で2000万円の売上を目指します。
福祉作業所 おかし屋ぱれっと, 就労継続 B 型
ぱれっとビル建設に伴うイートインショップの新設
- 平成26年度平均給料, 35,507円、17人。
- 平成29年度目標給料, 45,833円、20人。
お客様に はいっていただける菓子店に。自前のビルを建設し、移転の一大計画
渋谷区恵比寿で31年。たった3種類の焼き菓子の製造販売から始め、一貫して障害者の社会参加と自立を目的に活動してきた「おかし屋ぱれっと」は今、一大プロジェクトが進行中。それは運営母体である、認定 NPO 法人ぱれっと の、自前のビル建設です。
賃貸料だけでも毎年1000万円超の経費がかかる土地柄。そこで渋谷区から土地の無償譲渡を受けるとともに金融機関からの借入で、「ぱれっとビル」の建設に踏み切ったのです。夏に完成する予定のビルにはグループホームを開設し、おかし屋ぱれっと も1階に移転する青写真です。
現在の「おかし屋ぱれっと」は、大きなとおりから一本外れたロケーション。外観も一見して洋菓子店と判るものではありません。イートインスペースもないため、年間2000万の売上のうち、店頭での販売は1パーセントにも満たないのが現状です。
そこで、移転先ではプロのデザイナーに空間づくりを任せ、イートインスペースも備えた、地域住民とより深く関われる店舗とすることとし、その費用の一部を本助成で賄います。
現在はクッキーやパウンドケーキといった焼き菓子を中心に約30種の商品を揃えますが、これを契機にプリンやゼリー、ドリンクといった新メニューも開発し、店頭売上を伸ばしていく算段です。
就労支援事業所 ハーベスト, 就労継続 A 型
海藻アルギットにら出荷用農機一式の購入
- 平成26年度平均給料, 36,501円、10人。
- 平成29年度目標給料, 53,406円、16人。
TPP も見据えて挑む集約型農業で、高収入の試み
富山県がブランド野菜として売り出し中の「海藻アルギットにら」。ノルウェー産の海藻アルギットを肥料に用いたもので、県推奨品目に指定され、通常より高い卸値で動いています。
ハーベストはこのブランド野菜に着目し、障害者参加の集約型農業の確立を目指しています。直売所販売とは一線を画し、単一品目、効率優先、卸売市場がターゲットです。自動そぐり機や計量機、結束梱包機といった、煩わしい出荷作業を自動化できる高額農機の購入に助成を活用します。
MotherKitchen, 就労継続 A 型
大量調理機器の購入
- 平成26年度平均給料, 55,178円、16人。
- 平成29年度目標給料, 80,556円、30人。
大消費地への足がかり。大量調理に適した環境を構築
食を通じて、障害者の経済的自立を目指す MotherKitchen は、拠点を愛知県西部の愛西市に置き、三重県内を含む隣接市町を配達エリアとする配食事業を展開。地産地消と手作りにこだわったお弁当、400円は評判も良く、積極的な営業も功を奏し、販売数は1日500食にのぼります。経営計画では、2017年度に750食、2020年度には1200食まで引き上げる目標を掲げ、年内に現拠点と名古屋市の中間地点に新規施設を開設。名古屋中心部への販売進出を狙います。新規施設には大量調理器具を導入し、より働きやすい厨房で生産性の向上を図ります。
ワークセンター フレンズ星崎, 就労継続 B 型
自動重量検査機の購入、整備
- 平成26年度平均給料, 33,150円、17人。
- 平成29年度目標給料, 50,000円、20人。
工程の自動化で人員配置を再構築。より大きな受注にも対応できる体制へ
かつては菓子箱折りやボルトの包装作業といった内職を引き受けていたワークセンターフレンズ星崎。2010年財団主催の塾に参加したときから、それまでの仕事をすべて断り、ダイレクトメール代行発送業1本に、業務を転換しました。2002年に新堂塾長の施設(小倉昌男賞受賞者)を見学して受けた衝撃のせいです。それは低工賃が当たり前と思える委託業務でも、やりかたひとつで高い給料が払えるという事実でした。2010年からは3年間、当財団の「働くちから革新塾」を受講。ノウハウを積極的に取り込み、障害に配慮した作業環境の構築、ライン工程の整備などを進めると、結果は数字にも表れ、取り扱い DM 数も順調に増加、平均月給も2014年には3万円の大台に乗りました。
一連の作業は丁合、封入、検品、封閉じ、郵便番号区分けといった細かい工程からなります。とりわけ作業で重要となるのが「検品」です。メール1通ずつ重量を測定し、封入物の過不足がないかチェックします。しかし、慎重さを要するゆえに熟練の利用者2名を専任としていますが、受注量の増大にともない、処理スピードの限界も見えてきました。解決策として浮かんできたのが自動重量検査機です。既設の封閉じ機と連結させれば、2工程の自動化が叶い、担当者を手薄な別工程に再配置。全体の生産能力を25パーセントアップさせることができます。これで夢の平均月給5万円も射程圏内です。