弁当、配食サービスのプロとしての視点と思考へ、2年間で大きく成長
修了式は、瀬戸理事長の講演からスタートしました。「なにかに困っているお客様の声は、新しい商品を つくる 貴重なアイデアになります。ひとりひとりと一生懸命に向き合い、これからも頑張ってください」と話しました。
続いて、楠元塾の塾生たちが最終成果を報告。最初に発表した塾生は、2014年9月の入塾時には弁当、配食サービスが未経験だったかたです。
「約1年かけて、新事業を立ち上げ、今年8月には1日120食、6名の利用者さんに、7万円を超える給料を支給できました」と発表。「給料増額とともに、利用者さんのやる気も高まり、8月はお盆休み返上で、みんなで頑張りました」と笑顔で発表する塾生もいます。また「盛り付けはもちろん、容器もお弁当の個性に合わせて変えることで、売り上げが伸びています」と報告する塾生も。目標の販売数、売り上げ、給料を達成できた人、一歩届かなかった人など、さまざまですが、全員が自信を持って、2年間の成果を発表しました。
翌日の分科会では、2年間の振り返りではなく、これからの課題を議論。「病院から毎日80食、土日休の弁当のオファーがきたが、こなせるのか不安」と弱気になった塾生に対し、他の塾生が、メリットとデメリットを分析してアドバイス。塾生たちは、2年間で弁当、配食サービスのプロとしての視点、思考が磨かれ、たのもしく成長しています。
「今後も PDCA 報告は、毎月、おこない、共有し合いましょう。1年に一度は、こうして あつまりたい」と塾生から提案も出ました。楠元塾長は「これからも、次の目標を設定し、その達成に向かって進み続けてください。どんな壁にぶつかっても、利用者さんのために動くというスタンスさえぶれなければ、必ず乗り越えていけます」と激励の言葉を贈りました。
新塾は、各塾長の指導のもとで、三つの塾に分かれて目標達成へ。
修了式には、2年間の研修の、折り返し地点に立った、新塾の塾生たちも参加。1年間3人の塾長より、さまざまなノウハウを吸収してきましたが、今後は、亀井塾、熊田塾、新堂塾の3塾に分かれ、各塾長より、具体的な指導を仰ぎます。
食品に特化した もの作りを学ぶ亀井塾では、売り上げが伸び悩んでいる要因を見直すことに。塾生たちの商品は、各地域の自治体などが開催する品評会などで、賞も獲得しています。課題となるのは、生産性を上げるための働くスペース拡大と、設備の拡充。また、製品単価を上げ、販路を広げる対策も、具体的に話し合いました。
農業で給料増額を目指す熊田塾は、1年間で築いてきた塾生間、地域のかたとのネットワークを活かし、熊田塾のオリジナル ブランドを立ち上げることを決定。他の塾生が つくる 農作物や、商品を仕入れ、販売し、成果を上げている塾生もあり、全員が、売り上げ拡大を図る弾みのひとつになればと、熊田塾長も期待しています。
新堂塾長のもとには、新たに9名の塾生が加入。昨年から、新塾の塾生として研修を開始していた2名も含め、全員で、この9月から2年間の研修をおこなうことになりました。
研修会では、新堂塾のアドバイザーである、東京学芸大学の菅野 敦教授による講義も開講。新堂塾の塾生だけではなく、全塾生に、利用者さんの働く力を伸ばすために、職員が果たすべき点を講義いただいています。
「今後も福祉施設の強みを活かして、企業にはマネできないサービスを」と楠元塾長。
「全員経営という手法で、社員の意識を変え、ヤマト運輸も変わった」と瀬戸理事長。
亀井塾:商品力に磨きをかけてきた亀井塾の次の課題は、生産力と販売力の向上。
熊田塾:熊田塾は、塾生同士で、互いにメリットある仕入れ販売を推進。
新堂塾:新メンバーも加入、新たに2年間の研修をスタート。