毎日、楽しくて仕方ない。彼女の笑顔が周りを元気に。
「たとえば、 CD の付いた教材本など、本社の機械では難しい、手作業による製本が、当センターにまわってきます。製本に限らず、手作業が必要な、さまざまな仕事も受注しています」と本村製本株式会社、物流加工センターの花崎智訓部長。メーカーなどから届く商品の管理、加工、出荷業務も事業の大切な柱です。商品の台紙貼りや、値札付けなどの加工作業をおこない、倉庫で管理。出荷依頼が はいると、ハンディ片手に、必要数の商品をピッキングし、発送します。
「うちは平均年齢が高く、70歳以上のかたも働いているので、どんな業務も、だれもがわかりやすく、正確におこなえるように工夫しています。ピッキングに使うハンディには、商品名、棚番、数量が表示されますので、それを見るだけで簡単に作業可能です。間違えた時には、ブザーが鳴って教えてくれます」。
伊藤さんは、各種製本や加工作業など、基本的な仕事をすべてこなしていますが「商品ピッキングが一番楽しい」と話します。「陶器を扱うときは、こわれやすいので気を使います」とニッコリ。この笑顔が、周りのみんなに元気を与えてくれている、と花崎部長。
「伊藤さんは、他のパートのかたと同様に、週5日、9時から17時まで勤務しています。当センターで障害のあるかたを雇用するのは、伊藤さんが初めてでした。最初は、どう接したらよいのだろうか、と身構えていましたが、あの笑顔でしょう。特別な指導をしなくても、仕事をできるようになりましたし、すぐに職場に溶け込んでくれました。話すことに夢中になってスピードが遅くなることもありますが、いつも明るい彼女は、職場の大切なムードメーカーです」。
伊藤さんの給料の使い道は、洋服やゲームなど、趣味に関する買い物。休日は、友達と遊びにも出かけます。時には、妹さんへのお小遣いも。家に生活費をいれることも忘れません。「仕事は忙しいけれど、楽しくて仕方ない。スワン工舎に顔を出す暇がないくらい」と、飛び切りの笑顔で話してくれました。
「障害を意識したことはありません。みな同じ働く仲間です」と花崎部長。