青森県の中西部にある五所川原市。冬は雪で白く覆われ、しばしば吹雪の舞う街です。就労継続支援 B 型事業所ワークセンターつばき は、五所川原市の中心部から少し離れた、農地を含む住宅街を担当。広範囲に渡るエリアでクロネコ DM 便を配達しています。
徒歩の3人には、すべてを任せて。
ワークセンターつばき がクロネコメール便、後に DM 便事業をスタートしたのは、2005年。2009年からは自立支援事業として、本格的に取り組みを始めます。1日平均約250冊。徒歩で配達する3人のメイトさんは、信頼されて、すべてを任されています。
それぞれのエリアの DM 便の仕分けが終わると、メイトさんたちは配達ルートを自分で決定。その日は、どの地点から配り始めるかを職員に伝えます。配達エリアは施設から離れているため、メイトさんたちは、職員の運転する車に乗って、それぞれのスタート地点へ。配達を終えたら、帰りは歩いて戻ります。配達数が多くて遅くなったり、天気が急変した時などは、中間地点から施設に電話。すると、職員がメイトさんたちを迎えに来ます。
車チームは元気に楽しく安全に。
車で職員と一緒に配達する2人のメイトさんは、かなり広範囲のエリアを配達しています。職員が仕分けをし、配達ルートに沿って車で出発。職員が、「はい、次は◯◯さんと○○さん」と DM 便を手渡すと、後部座席に座っている2人は さっとドアを開けて配達へ。対向車の来る側を担当するメイトさんは、慎重に安全を確認しながら道路を渡り、投函します。車に戻る時もしっかりチェック。いつも笑顔で明るく楽しく、安全第一がモットーです。
雪が降ると目印が消えてしまう。
青森県の冬期の積雪量は、平均約60センチ。冬の初めには、夜の間に町が雪で覆われてしまうことがあります。屋根の色や、門柱の形など、目立つもので配達コースを覚えていると、目印がなくなってしまい、困ることも。雪が降った後は、雪の中でもわかる目印を見つけます。
徒歩チームのメイトさんは DM 便をバッグに入れて配達。重いカタログが多い日は、プラスチックの大きなケースに DM 便を入れ、アルミのカートを使って配達します。雪の日はカートも重くなって動かしにくくなるため、ソリを使うことも検討中です。
挨拶の練習から朝が始まる。
朝礼で必ずおこなうのは、挨拶の練習。おはようございます。ありがとうございます。職員のあとに続いて、大きな声で繰り返します。
「練習のおかげで、町で声をかけられても、すぐに挨拶ができるようになっています」と話すのは、生活支援員の寺田健二さん。「挨拶の声を聞いていると、体調もわかるので、大切な日課です」。
横山正樹所長は、「地域の中で役に立っているという意識が仕事に反映しています。笑顔が増えたし、どんな吹雪の日もいとわない。みんな配達が好きだと言う。頼もしいですよ」と語ります。
お客さまが待っている、という感覚を忘れずに。
ヤマト運輸青森主管支店、五所川原支店、對馬聡支店長は、「チームワークの良さを感じます。いつも お客様第一という思いを忘れずに続けてほしい」と期待を込めて話します。
ヤマト運輸青森主管支店サービスセンター、大澤道信センター長は、「広域エリアを配達してもらって助かっています。五所川原は吹雪く日が多いので、安全第一で、怪我なく、笑顔で仕事をして欲しい。そして、いつもお客様が待っているという感覚を忘れずに」と結びました。
街の人から挨拶してもらうのが嬉しいと語るメイトさんたち。地域の一員として認められているという実感が、みんなの弾ける笑顔につながっています。