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この街で、一緒に生きていく: 公益財団法人ヤマト福祉財団: 障害者のクロネコ DM 便配達事業。

挨拶してもらうのが、いちばん嬉しい。地域の一員と感じるから。

青森県五所川原市。 JR 東日本五能線の五所川原駅から、車で約15分の住宅街に、社会福祉法人愛生会ワークセンターつばき はあります。3人のメイトさんが徒歩で、2人のメイトさんが職員と一緒に車で、毎日、元気にクロネコ DM 便を配達しています。

青森県の中西部にある五所川原市。冬は雪で白く覆われ、しばしば吹雪の舞う街です。就労継続支援 B 型事業所ワークセンターつばき は、五所川原市の中心部から少し離れた、農地を含む住宅街を担当。広範囲に渡るエリアでクロネコ DM 便を配達しています。

徒歩の3人には、すべてを任せて。

ワークセンターつばき がクロネコメール便、後に DM 便事業をスタートしたのは、2005年。2009年からは自立支援事業として、本格的に取り組みを始めます。1日平均約250冊。徒歩で配達する3人のメイトさんは、信頼されて、すべてを任されています。

それぞれのエリアの DM 便の仕分けが終わると、メイトさんたちは配達ルートを自分で決定。その日は、どの地点から配り始めるかを職員に伝えます。配達エリアは施設から離れているため、メイトさんたちは、職員の運転する車に乗って、それぞれのスタート地点へ。配達を終えたら、帰りは歩いて戻ります。配達数が多くて遅くなったり、天気が急変した時などは、中間地点から施設に電話。すると、職員がメイトさんたちを迎えに来ます。

車チームは元気に楽しく安全に。

車で職員と一緒に配達する2人のメイトさんは、かなり広範囲のエリアを配達しています。職員が仕分けをし、配達ルートに沿って車で出発。職員が、「はい、次は◯◯さんと○○さん」と DM 便を手渡すと、後部座席に座っている2人は さっとドアを開けて配達へ。対向車の来る側を担当するメイトさんは、慎重に安全を確認しながら道路を渡り、投函します。車に戻る時もしっかりチェック。いつも笑顔で明るく楽しく、安全第一がモットーです。

雪が降ると目印が消えてしまう。

青森県の冬期の積雪量は、平均約60センチ。冬の初めには、夜の間に町が雪で覆われてしまうことがあります。屋根の色や、門柱の形など、目立つもので配達コースを覚えていると、目印がなくなってしまい、困ることも。雪が降った後は、雪の中でもわかる目印を見つけます。

徒歩チームのメイトさんは DM 便をバッグに入れて配達。重いカタログが多い日は、プラスチックの大きなケースに DM 便を入れ、アルミのカートを使って配達します。雪の日はカートも重くなって動かしにくくなるため、ソリを使うことも検討中です。

挨拶の練習から朝が始まる。

朝礼で必ずおこなうのは、挨拶の練習。おはようございます。ありがとうございます。職員のあとに続いて、大きな声で繰り返します。

「練習のおかげで、町で声をかけられても、すぐに挨拶ができるようになっています」と話すのは、生活支援員の寺田健二さん。「挨拶の声を聞いていると、体調もわかるので、大切な日課です」。

横山正樹所長は、「地域の中で役に立っているという意識が仕事に反映しています。笑顔が増えたし、どんな吹雪の日もいとわない。みんな配達が好きだと言う。頼もしいですよ」と語ります。

お客さまが待っている、という感覚を忘れずに。

ヤマト運輸青森主管支店、五所川原支店、對馬聡支店長は、「チームワークの良さを感じます。いつも お客様第一という思いを忘れずに続けてほしい」と期待を込めて話します。

ヤマト運輸青森主管支店サービスセンター、大澤道信センター長は、「広域エリアを配達してもらって助かっています。五所川原は吹雪く日が多いので、安全第一で、怪我なく、笑顔で仕事をして欲しい。そして、いつもお客様が待っているという感覚を忘れずに」と結びました。

街の人から挨拶してもらうのが嬉しいと語るメイトさんたち。地域の一員として認められているという実感が、みんなの弾ける笑顔につながっています。

「配達することが大好きで、新聞配達もしています。吹雪だって苦になりません」と清野幸貴さん。

配達ルートを地図で確認する木村正治さん。

持ち帰りした配達先などを書き込んである地図。広いエリアを担当しているため、これはほんの一部です。

向かって左から、生活支援員の寺田健二さん。「犬が苦手」と笑う、いつも明るい菊池文一さん。ポストへ DM 便を投函するやりかたが丁寧で上手な三橋勝さん。

「配達は生き甲斐。生きている限り DM 便を配達したい」と木村正治さん。

もともとよく知っている町でしたが、約1ヶ月で、ほぼ地図を覚えたという今由紀子さん。「もっと広いエリアを担当したい」。

DM 便が濡れないように、しっかりとポストに入れる今由紀子さん。

前列向かって左から、ワークセンターつばき、横山正樹所長、今由紀子さん、清野幸貴さん、後列向かって左から、生活支援員、寺田健二さん、木村正治さん、菊池文一さん、三橋勝さん、ヤマト運輸青森主管支店サービスセンター、大澤道信センター長、ヤマト運輸青森主管支店、五所川原支店、對馬聡支店長、ヤマト福祉財団東北支部、小原守事務長。

向かって左から、生活支援員、寺田健二さん、横山正樹所長。

青森主管支店、五所川原センター。

面積400平方キロメートル、人口52,000人、世帯数20,000世帯。

社会福祉法人愛生会、ワークセンターつばき。

就労継続支援 B 型事業所。2005年からクロネコメール便( DM 便)配達を開始。1日平均配達冊数、約250冊。他の活動は、野菜や果物の洗浄、袋つめ、梱包作業など。

障害者のクロネコ DM 便配達事業。

参入施設数、317施設。従事者数 1,705人。2017年10月現在。

お問い合わせは、公益財団法人ヤマト福祉財団、 DM 便担当。

電話 03-3248-0691、ファクス 03-3542-5165。

http://www.yamato-fukushi.jp/.

2015年4月1日より、クロネコメール便配達はクロネコ DM 便配達へと変わりました。

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