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スワン工舎卒業生訪問、27。医療法人社団弘善会さま。

自ら考え、担当の仕事を、責任を持ち、やり遂げる。

「責任を持って働く2人は、入社時に比べ、頼もしく成長しました」と、医療法人社団 弘善会の木村良子 事務長。「もっと仕事を任せたい」と周りも期待しています。

医療法人社団弘善会:清瀬富士見病院を中心に、介護老人保健施設や、精神科、心療内科クリニックなどを運営。介護老人保健施設、ラビアンローゼと、きよせ認知症ケアセンターで、4名の障害のあるかたを、雇用しています。2018年5月現在。

ヤマト自立センター、スワン工舎。

就労に必要なスキルの習得はもちろん、就労先の開拓から、ジョブコーチによる、就労後のサポートまで、一貫したプログラムで、障害者の自立支援に取り組んでいます。

人手不足の高齢者介護業界が、障害のあるかたの活躍に注目。

「私たちがはじめて雇用した、障害のあるかたが、渡部君でした」と、医療法人社団 弘善会の木村良子 事務長。「ここでの仕事は、入所、通所される高齢者のケアをおこなう専門職が中心で、どんな仕事を、どこまで頼んだら良いのか、最初は悩みました。ところが、渡部君のまじめな仕事ぶりを見るうちに、この仕事も、あの仕事も、と、任せる領域が広がっていったのです」。

現在、渡部さんは、シーツ交換、車椅子洗浄、施設内の環境整備など、さまざまな仕事を担当。入社当時は、ひとつの作業が終わると、次の指示をスタッフに聞いていましたが、今は、自ら判断して、次の仕事を自発的に進めています。

「入社して約5年が経ち、渡部君は随分と成長しました。自分の仕事に責任を持って、日々、取り組み、顔つきも随分と大人っぽくなりましたね」。変化したのは、渡部さんだけではありません。「障害のあるかたと、どう接し、仕事を任せていくか。渡部君との出会いで、私たちの考え方も、変わってきたと思います」。

もうひとつの介護老人保健施設、ラビアンローゼでは、入社3年目を迎える福村さんが働いています。仕事は、渡部さんとほぼ同じです。

「職員との会話は挨拶程度だった福村さんですが、利用者さんへのイベントのひとつ、納涼祭の運営に参加したころから変わり始めました」とラビアンローゼの科長。

「職員と同じハッピを着て、働いたことが、楽しかったみたいで、今は、会話も自然に広がっています。仕事は正確で、とても丁寧。ある日、背の高い福村さんにしか届かない、窓ガラスの清掃をお願いしたことがあったのですが、それ以来、窓ガラスを拭く曜日を自ら決め、計画的に、作業に取り入れてくれています」。

職員たちも、ふたりは、なくてはならない存在だと、高く評価している、と、木村事務長は話します。

「給料は最賃を確保し、100パーセントではありませんが、賞与も出ます。それでも、高い給料とは言えませんので、働く時間を、もう少し増やしては、と、話しています。高齢者介護業界は、どこの施設も人手不足。いま、2人には、介護職員の仕事を、部分的に担当してもらっていますが、介護の資格を取得できれば、障害のあるかたの活躍の場は、もっと広がると思います」。

後列、右から2人目、口下手な福村さんも、職場に打ち解けました。

5年目になり、仕事も手慣れて、信頼も厚い、後列左、渡部さん。

渡部 凌 さん。

きよせ認知症ケアセンター。平成25年12月1日入社。

勤務時間は9時から16時。給料で、自分の好きな本や、 CD を買うのが楽しみ、と話します。

入居者のベッド環境を整える渡部さん。周りの指示を受けなくても、自ら判断し、次の仕事を進めています。

福村 恵史 さん。

ラビアンローゼ。平成28年7月1日入社。

入社して、1日も遅刻も、休んだこともない福村さん。休日は、趣味のゲームに熱中します。

実習時から、丁寧な仕事ぶりを評価された福村さん。車椅子1台に、15から20分かけて、きれいに洗浄します。

利用者さんの給料増額へ向かって。

夢へのかけ橋 実践塾活動報告。

5月23日、新堂塾、第3期。見学、勉強会。

自分がなにを作っているのかが見えれば、目標も明確に立てられ、意欲も高まる。

5月23日、新堂塾は、ふたつの塾生施設で見学勉強会をおこないました。最初に訪れた、大阪府堺市にある NPO ウイングのウイングデイは、 DM の封入 封かんの仕事をスタートさせたばかり。「このままだと、利用者さんはどんな仕事が、いくつ動いているのかわかりません」と菅野教授。「大切なのは、今日は ここまでやろう、何個まで作ろう、と、目標を明確にしてあげること」と、新堂塾長はアドバイスしました。

次に訪れた、兵庫県尼崎市の社会福祉法人福成会 チャレンジ コヤリバは、製造業などに使用される工具や部品の袋詰めをおこなっています。菅野教授は、「セル作業の問題点は、各人のペース、利用者さん任せで仕事を進めていること。全体の生産性が落ちてきたとき、原因がどこにあるのかが見えず、具体的な改善策を立てにくいのです」と指摘しました。

修了式まで残り3ヵ月、他の塾生たちも、それぞれの工夫が次第に、結果に結び付いています。新堂塾長は、「今日見学した施設の良い点、悪い点をもとに、自分の施設の改善に役立ててください」と呼びかけました。

DM 作業をスタート。利用者さんにわかりやすい目標を(ウイングデイ)。

(チャレンジ コヤリバ)「資材を運ぶ距離を短くするなど、改善のポイントはまだあります」と新堂塾長。

4月12、13日、楠元塾、第2期。見学、勉強会。

生産性を高める時間の使い方や、動線の工夫。さらに、衛生管理の徹底を細かく指導。

塾生施設を訪れ、現場の改善点を細かく指導していく楠元塾長。4月12日は、栃木県栃木市の NPO 海がめの海がめ物語へ。包丁やまな板、油の保管、取り替えのタイミングなど、衛生管理を指導。さらに、「利用者さんの支援は他の職員に任せ、調理場の責任者である塾生は、仕込み、調理の段取りから、配達に間に合うように、全体の進行管理を担当し、原価率も正確に出してください」と、職員の役割分担についても話しました。

その後、群馬県北群馬郡へ移動し、翌日は NPO 山脈のキッチンハウス みやま を見学。弁当を試食した楠元塾長は、生産性を上げるために、一番忙しい朝に朝礼をおこなうのではなく、作業が終わった昼に、おこなうことを提案しました。調理場では、利用者さんが安全に動けるように、調理器具の置き方などもチェック。衛生管理については、「お弁当は2020年までに HACCP を取得しないと、病院などの仕事を受注できなくなります。その地域で一番衛生管理がしっかりしている弁当屋、と評価されるレベルまで高めていきましょう」と参加者に伝えました。

「具体的なタイムスケジュールを作れば、利用者さんも動きやすい」との意見も(海がめ物語)。

弁当の美味しさに太鼓判を押した楠元塾長は、効率的に生産できる、時間の使い方も指導(キッチンハウスみやま)。

YWF Topics.

ネパールの子どもたちに光を届ける活動を、ヤマト福祉財団はヒカリカナタ基金と共同でおこないます。

第17回ヤマト福祉財団 小倉昌男賞 受賞者である竹内 昌彦 氏らが小児白内障治療を目的に、ヒカリカナタ基金を設立。賞の副賞賞金も、その創設基金の一部となりました。財団は、子どもの頃に失明し、視覚障害者への支援活動を続ける竹内 氏から相談を受け、ヤマトグループで就労するネパール人が急増(約1000人)していることや、貧困により手術ができずに、失明する白内障患者が多いことから、ネパールへの支援を提案。今年の12月には、視力検査や角膜、眼底検査をおこなうアイキャンプを、ダーディン郡のふたつの小学校でおこなうことが決定しました。

この活動を、日本語と、ネパール語のポスターで、職場にお知らせしています。7月1日からは、文具支援のご協力をお願いするポスターも掲示。それに先立ち、6月12日には、羽田クロノゲートで勤務する、ネパール人社員と、情報共有のミーティングをおこないました。

羽田クロノゲートで勤務する、ネパール人社員のみなさん。

福岡、船橋、羽田クロノゲート、神奈川、名古屋の各ベースに、寄付専用箱を置いています。

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