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この街で、一緒に生きていく。

新しいポストへ配達するたびに、新しい町の地図ができていく。

宮城県仙台市。 JR 仙山線 陸前落合駅から徒歩で約10分の住宅街に、社会福祉法人 みんなの輪,わ は わ 広瀬はあります。クロネコ DM 便事業を始めて、すでに10年以上。4から5名のメイトさんで、1日平均、約300冊を配達します。これは、東北で2番目に多い配達冊数です。

わ は わ 広瀬 があるのは、仙台市青葉区。担当するエリアは、新しく開発中の新興住宅地と、古くからの町並みが続く地域です。両方を合わせると、かなり広域となるため、車2台で配達。職員が運転し、それぞれにメイトさん2名が同乗します。月曜から土曜日まで稼働し、多い日には1日700から800冊も配達しています。

ていねいにすばやく、地図落とし。

朝、センターで DM 便を受け取った職員が わ は わ 広瀬 に戻るのは、午前8時40分頃。いくつもの箱に はいった DM 便は、かなりの重さとなるため、昇降機に積まれて、1階から2階へと運ばれます。そして、9時に仕分けがスタート。机の上に置かれた、町名と住所が書かれたプレートの前に、次々と DM 便を分類していきます。分類が終わると、すばやく地図にマーカーで配達先をマーク。この作業を わ は わ 広瀬 では、地図落とし と呼んでいます。

「ルート、お願いします」。地図落とし の終わったメイトさんが元気に手をあげます。すると職員が、効率よく配達できるように考えながら、配達ルートを地図上に線で書き入れます。ルートの配達順にメイトさんが DM 便を並べ替えて、仕分けは10時前に終了。すべてがすみやかに進みました。

DM 便配達は人気の仕事。14名が待機中。

毎日配達する中心メンバーのメイトさんが、体調や都合などによりお休みすると、希望者が代わりに はいることができます。希望者リストに名を連ねているのは、なんと14名。ローテーションでメイトさんの仕事を担当します。ヤマト運輸のユニフォームを着て、外に出て活動できる DM 便配達は、利用者さんにとって人気の仕事なのです。

複数の目と耳で確認するから、間違えない。

職員の片岡聖子主任は、毎日気をつけていることについて、「必ず車の中で、次の配達先を声に出して読み上げます。今日も、同じ町名で同じ名字、最後の番地だけが違う配達先を、地図落としの段階で、間違えてマークしていました。車の中で気づいてドキッとしましたが、複数の目で見て、耳でも聞いて確かめると、間違いに気づきます」と話します。

11時少し前に、配達エリアの中間あたりで、2台の車が集合。それぞれの進捗状況を報告し、予定よりも進んでいないエリアの配達があると、もう1台が助けるなどの調整をします。

地図を作りながら配達する、新しい町。

わ は わ 広瀬 が担当する新興住宅地は、石と緑の町と呼ばれるほど、美しい景観が続く新しい町。子育てしやすい町、というキャッチフレーズもつけられています。新しい家が次々と建てられ、学校や保育園、病院もできました。既存の地図には載っていない家が多いので、新しい家の名前を書き込み、地図を作りながら配達しています。

片岡主任は、「あまりの広さと、家の造りが似ているので、どこを走っているのか、時々、わからなくなります。自分で地図を描いて頭に入れ、気になる建物を目印にするなどして覚えました」と話します。

ほとんどの家の玄関前に石の階段があることも、町の特徴です。ポストが門柱にある家もありますが、階段を上った先の玄関のポストに配達する家も少なくありません。12月から3月まで、降雪量が多く、凍結することの多い仙台では、この階段が危険なスポットになります。メイトさんの本部正直さんは、「滑るから階段は危ない。冬は気をつけて上り下りしています」と話します。

仕事をとおして、少しずつ変わっていく。

わ は わ 広瀬 の管理者、安田たかねさんは、メイトさんたちの変化について、「 DM 便の仕事をしていると、室内のルーティンの作業では気づかなかったことを発見します。たとえば、俊敏に動けるとか、体力があるとか。また、配達先に着く前にスキャナーを準備するなど、それまでしていなかったことができていることに気づくこともあります。ほんの小さな変化ですが、見つけるととてもうれしくなります」と話しました。

高い品質を維持する、頼りになる存在。

ヤマト運輸仙台愛子支店、佐藤雅希店長は、「ほぼ誤配がなく、安心してお任せできます。メイト連絡会などで交流し、朝の引き取りの時も言葉を交わすなど、風通し良く進めていきたい。どんどん広がるエリアは DM 便も増える。頼りにしています」と今後にも期待を込めます。

ヤマト運輸宮城主管支店、サービスセンター、菅原光悦センター長は、「ひとりで配達していると、思い込みもあって、間違いが生じることがあります。必ず複数の人の目で確認するなど、職員さんたちの誤配を生まないための、日々の取り組みは素晴らしい。それが高い品質に繋がっています」と語りました。

わ は わ の意味は、輪は和。人と人の輪、人と自然の和を大切にするという想いを込めています。

地域の中で少しずつ変化していくメイトさんたち。「おはようございます。 DM 便です」と、町に今日も元気な明るい声が響いています。

名畑康宏さんは、配達地域の地図をすべて把握している、メイトさん歴4年目のベテラン。大石敏幸さんは、メイトさんになって2ヶ月目。「みんなで協力して仕事をすることが楽しい。早く覚えたい」と意欲的。わ は わ 広瀬、片岡聖子主任。

町名と番地を書いたプレートの前に、 DM 便をすばやく仕分けしていく本部正直さん。

配達先を地図にマークする名畑康宏さん。 DM 便が複数ある場合は 正 の字を書き入れます。

わ は わ 広瀬 管理者の安田たかねさん。「みんな、元気に挨拶ができるようになりました。地域にもっと溶け込んでいきたい」と話します。

前列左から、大石敏幸さん、菅原石太郎さん、佐藤海飛さん、本部正直さん。後列左から、わ は わ 広瀬 管理者 安田たかねさん、森智子さん、石上昭弘さん、わ は わ 広瀬 片岡聖子主任、ヤマト運輸宮城主管支店 仙台愛子支店 佐藤雅希店長、ヤマト運輸宮城主管支店 サービスセンター 菅原光悦センター長、ヤマト福祉財団東北支部 小原守事務長。

軽やかな足取りで配達する菅原石太郎さん。「自分用の地図を作って、配達先のエリアを約1ヶ月で覚えました」。

メイトさん歴1年2ヶ月、いつも前向きな菅原石太郎さん。「配達することが好き」と、明るく元気な、佐藤海飛さん。職員の濱中隆仁さん。

DM 便をていねいに投函する大石敏幸さん。

「おはようございます、 DM 便です」と元気に挨拶する、佐藤海飛さん。

宮城主管支店, 仙台愛子センター。

面積 260平方キロメートル、人口 32,539人、世帯数 12,557世帯。

社会福祉法人、みんなの輪、指定障害福祉サービス事業所、わ は わ 広瀬。

就労継続支援 B 型事業所。2006年6月、クロネコメール便、後のクロネコ DM 便をスタート。1日の配達冊数は約300冊。他にはダイレクトメールの封入封緘、ペット用品の組み立て、お中元の発送の手伝いなど。

障害者のクロネコ DM 便配達事業。

参入施設数 319施設、従事者数 1,635人。2018年10月現在。

お問い合わせは、公益財団法人 ヤマト福祉財団、 DM 便担当。

電話 03-3248-0691、ファクス 03-3542-5165。

https://www.yamato-fukushi.jp/.

2015年4月1日より、クロネコメール便配達はクロネコ DM 便配達へと変わりました。

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