スタッフの制服を着ることを目標に。
20歳になったばかりの金子玲央さんが働いているのは、全国に1200店舗を展開するレンタル DVD ショップ、ゲオ 狭山店です。
金子さんが担当するのは、店舗内外の清掃です。ひとくちに清掃といっても、商品のホコリを取ったり、陳列棚の拭き掃除や、床のモップがけ、トイレや駐車場の掃除など、さまざまな仕事をこなしています。
特例子会社の株式会社 ゲオビジネスサポートに本採用になってから7ヵ月、「実習の時は、作業の手順も、モップの使いかたもわからなかったけれど、彼の良いところは、覚えようとする真面目さ、素直さ、自らやろうとする姿勢で、どんどん習得していくことです。今では、見たことのない道具があっても、ちょっと教えれば使えるようになる。応用力が出てきました」と、ストアコーディネーターの後藤伸一郎さん。
ゲオビジネスサポートで働く、障害のある社員は、全国で149人。24人のストアコーディネーターが店舗と、障害のある社員を橋渡しする仕組みを作っています。
「店舗経験者がストアコーディネーターとして、店の要望を汲み取り調整することで、障害のある社員の能力を活かしていきたい、と考えています。採用にも積極的です」。
お昼休みは いつも一緒に取っているという、スタッフの五藤章徳さんは、「本採用になったとき、お店の制服を着ることを目標にしよう、と金子さんに言ったんです。私は息子がふたりいますが、彼は3人目の息子のようなもの。仕事も、指示をしなくても進んでやることができるようになってきました。彼が制服を着るようになるのが私の夢です」と話してくださいました。
最後にストアコーディネーターの後藤さんから、「スタッフとのコミュニケーションもとれるようになり、社会性が出てきて、自立していこうという姿勢が見えてきました。20歳になって、頼もしく感じますね」と、うれしい言葉をいただきました。