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夢へのかけ橋実践塾:塾生の挑戦 NO. 5

待望の弁当事業部を開所、夢 さぽーと

試行錯誤を続けながら、未経験の弁当、配食サービス事業の準備に取り組んでいた NPO 法人夢 さぽーとが、8月4日、弁当事業部、かず味を開所。300万円の事業改革モデル化資金で厨房の改装、設備、配送車などを整え、1日弁当200食を目標に第一歩を踏み出しました。

福原さんの夢の新事業がスタート。次は利用者の夢をかなえる番

8月4日、蝉時雨の中、松橋神社の神主により厳かに火入れ式が始まりました。

「入塾した時、駄菓子屋を始めたいと話し、塾長に一喝されたことを思い出します。まったくのゼロ、むしろマイナスからのスタートでした」と塾生の福原和美理事長。

これまで夢 さぽーとがおこなってきたのは、味噌と関連商品の製造、販売、アクセサリーの製作、そして地元農家の手伝いなどですが、売上は伸び悩んでいました。「お金がなくて買えないから、ほしいという気持ちもなくなった」と話す利用者の生活を給料アップで必ず改善してみせると決意し、楠元塾に入塾します。

楠元塾で弁当、配食サービス事業の経験がまったくなかったのは夢 さぽーとだけ。「実績がないため、塾での成果発表などでは肩身が狭かった」と言いながらも「一番最後を走っているおかげで、先行している塾生の成功や失敗を見聞きでき、たくさんのノウハウを吸収できたのはラッキーでした」と笑います。

法人設立時には、資金調達に奔走してくれた、当時の副理事長も強力な応援者で、この日もお祝いに駆けつけてくれました。福原さんに「経営者としての自覚を持ちなさい」と営業面を含めて後押しをしてくれています。

楠元塾長は「いまは200食つくれる設備で十分。利用者が働きやすい動線と衛生管理を」と助言。福原さんは、職員とともに何度も塾長の施設を訪ね、なにが必要かを考え計画を練り直します。やがて事業改革モデル化資金の申請も とおり、計画は大きく前進しました。

「最初、料理長とはコンセプトの食い違いもありましたが、塾長の施設で働く利用者の姿を見たり、弁当事業を始める目的を常に話し合うことで、わかり合えてきたと思います。地域のかたにも試食、評価をいただき、彩りや味を改善。毎日食べても飽きない健康弁当で、目指すは1年後に150から200食、3年後は300食です。どんどん忙しくなり、より多くの利用者が参加して、人員配置に悩むくらいになりたい」と福原さんは燃えています。

現在は、17人いる利用者のうち4人が従事

開所式のお祝いに、特別なお弁当を用意

楠元塾で最後に弁当、配食サービス事業を開始した夢 さぽーと

弁当事業の始まりに安全を祈って、火入れ式

塾長コメント:楠元塾長が行く

考えるのは利用者の給料アップだけ

この1年間、福原さんの頑張りを見てきましたから、本当によかったと思います。でもこれからが本番。地域のかたの声、姿をしっかり捉えて戦略的に事業を進めていくこと。衛生管理を怠らないこと。迷った時は利用者の給料アップ、それだけを考えて前に進むことです。他の塾生の姿を見て、なにをやるべきかがわかっているので、きっと成功できると信じています。

塾生の福原さんと開所式に駆けつけた楠元塾長

塾生メモ: NPO 法人 夢 さぽーと:弁当事業部、かず味

楠元塾
1期生
対象事業内容
弁当、配食サービス事業
平成25年度売上
18,795,823円
平成25年総支給額、月額平均給料
10,810,227円、48,476円
利用者人数
17人。平成27年8月現在
助成内容
弁当、配食サービス事業の新規立ち上げ資金
助成金の種類と金額
平成27年度,夢へのかけ橋,事業改革モデル化資金300万円
事業形態
就労継続支援 A 型 就労移行支援
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