Information of the Art
黄金伝説展:古代地中海世界の秘宝
世界最古の金
本展では、ブルガリアで出土した世界最古の金をはじめ、トラキア、ギリシャ、エトルリア、ローマといった優れた古代文明技術を駆使して作成した金製品や黄金をテーマにした絵画を紹介します。
6000年以上前に作られた金製品は年月の影響を受ける他の文化遺産と異なり、現代でも永遠の輝きを保ち続けています。その輝きは古代人と同じように現代人の心も捉えて離さないことでしょう。これらの黄金は人々の記憶に受け継がれて黄金伝説が生まれます。そして黄金は伝説だけでなく、絵画や彫刻にも影響を与え、モローやプッサンの名画を生み出したのです。
古代地中海の秘宝
古代地中海は金細工などの装飾品の宝庫でした。ギリシャ神話でミダス王は「私の体が触れたものがすべてきらめく黄金に変わるように」願いました。この神話を具現するためであるかのように古代ギリシャ人は金線細工が得意技です。
ホメロスは、トロイの戦地に赴いたトラキア王が大きな金器を持ち、黄金で飾られた馬車で駆けつけたと表現しています。昔トラキアだったブルガリアの土地からはヴァルチトラン遺宝とパナギュリシュテ遺宝という2つの名宝が発見されています。
また、イタリア半島中部ではローマ帝国以前にエトルリアが勢力を奮っていました。エトルリア人は死者を豪勢な、精緻を極めた金細工などとともに埋葬しており、近代以降それらが発掘されています。一方、ローマ帝国では山崩し法と言われる鉱山開発法が発達し、広範な領土で金を産出しました。この鉱山開発にも着目していきます。
本展で展示する地中海地域の古代文明がもたらした傑作金製品の数々と金を題材とする絵画の両方を存分にお楽しみください。本展の美術品取り扱いにヤマトロジスティクス株式会社は協力しています。
- 開催期間:2015年10月16日,金曜日から2016年1月11日,月曜日、祝日
- 休館日:毎週月曜日と11月24日,火曜日、12月28日,月曜日から1月1日,金曜日。ただし11月2日、11月23日、1月4日、1月11日は開館
- 開催場所:国立西洋美術館
- アクセス:
-
- JR 上野駅公園口より徒歩1分
- 京成電鉄京成上野駅より徒歩7分
- 東京メトロ銀座線及び日比谷線上野駅より徒歩8分
- 美術館には駐車場がありません。公園周辺にある有料駐車場を利用ください
- 開館時間:9:30から17:30。金曜日は20:00まで開館。入館は閉館の30分前まで
- 観覧料:
-
- 一般当日, 1600円
- 大学生当日, 1200円
- 高校生当日, 800円
- 中学生以下無料。障害者とその付添者1名は無料。入館の際に障害者手帳をご提示ください
- 主催:国立西洋美術館、東京新聞、TBS
- 後援:外務省、文化庁、イタリア大使館、オランダ王国大使館、ギリシャ大使館、ドイツ連邦共和国大使館、ブルガリア共和国大使館、BS-TBS、TBS ラジオ
- 特別協賛:住友金属鉱山
- 協力:アリタリア - イタリア航空、エールフランス航空、KLM オランダ航空、西洋美術振興財団
- 問い合わせ先:電話, 03-5777-8600, ハローダイヤル
- 展覧会公式ホームページ:http://www.tokyo-np.co.jp/gold/
- 巡回情報:
- 宮城県美術館:2016年1月22日,金曜日から3月6日,日曜日
- 愛知県美術館(予定):2016年4月1日,金曜日から5月29日,日曜日
《イアソン》© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
《ヴァルチトラン遺宝》"Photograph:National Institute of Archaeology with Museum ‒ Sofia, Bulgaria"
《腕輪》Foto © Governatorato dello Stato della Città del Vaticano - Direzione dei Musei, tutti i diritti riservati