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夢へのかけ橋実践塾

1人でも多くの利用者さんにたくさんの給料をと、職員の意識改革や事業改革などを進める塾生たち。昨年10月に入塾した新塾生は第2回合同研修会で、楠元塾塾生は第5回研修会でさらなる飛躍を目指しました。

第2回合同研修会、第2期

塾長施設や先行するモデル施設に学ぶ

2月4日から6日まで、亀井、熊田塾長のもとで給料増額を目指す新塾生たちの第2回合同研修会を開催しました。初日は自由参加で滋賀県にある『作業所おもや』を見学。おもやは、無農薬、無肥料、無除草剤で稲、野菜、果樹栽培をおこなっています。「自然栽培は、一般的な農法に比べ手間も工夫も必要とされるが、努力に見合うだけの安心、安全で競争力の高い作物を収穫できる」と杉田健一施設長。栽培方法を見学した塾生は、自分の施設に応用できないかと積極的に質問を投げかけ、翌日はビニールハウス組み立てのワークショップもおこないました。

2日目からの参加者は、大阪にある亀井塾長の施設『ハイワークひびき』を訪問。パティシエと管理者の2人の職員より「売れるお菓子づくりと利用者さんが能力を発揮できる職場環境」などのお話しを伺いました。お菓子づくりに励む利用者さんの姿を見学した際には、同行された東京学芸大学の菅野 敦教授より「見てほしいのは、利用者さんがやり終えた仕事をどう報告し、次の仕事に進んでいくか」などのアドバイスも。その後は研修会場で財団が提供する PDCA のための収支管理システムを勉強しました。

最終日は、これまでおこなってきた活動を個別に発表。亀井塾長は「ここでなるほどと思ったことは、必ず行動に移すこと」。熊田塾長は「みんなでモノを売る仕組みづくりを構築していきましょう」と呼びかけました。

第5回楠元塾

利用者さんの能力を見つめ直す

2月18、19日、岡山県で開催した第5回楠元塾では、食品衛生法に基づく今後のありかたを学ぶとともに、塾生施設『にのつぼ』も見学し、改善点を検討、共有し合いました。2日間かけておこなった塾生たちの報告を聞いた楠元塾長は「大切なのは利用者さん1人ひとりにどんな力があるかをきちんと見つめ直すこと。9月にはこの塾も終了します。残り約半年、全員で最低3万円の月給を実現しましょう」と激励しました。

楠元 洋子 塾長

熊田 芳江 塾長

亀井 勝 塾長

報告した塾生ひとりひとりに亀井塾長と熊田塾長がアドバイス

体験して初めてわかることも。おもやではハウスづくりに挑戦。

売上拡大と給料増額のために、収支管理システムの活用法を学習。

楠元塾もあと半年。給料増額のヒントを真剣に探る塾生たち

もっと食欲をそそる弁当へ。盛り付け次第で売上は変わる。

にのつぼ の見学、勉強会で、現場の動線なども検討し合う。

ステップアップセミナー

より多くの施設に新堂塾の活動を伝えたい

「新堂塾の活動を知ることで、より多くの施設が利用者さんの給料増額に取り組めるように」。2月6日、新大阪の丸ビル別館で『ステップアップセミナー』を開催しました。参加者は65名。講師は新堂 薫塾長、東京学芸大学の菅野 敦教授(新堂塾アドバイザー)、そしておふたりに学び実績を上げた3人の元塾生です。

まずは職員の意識改革から

「いま利用者さんの月額平均給料は、約1万5000円と言われています。みなさんならどうやって3万円にしていきますか」と菅野教授は問いかけました。「単純に仕事量を倍にしても、利用者さんがこなせるはずはありません。みなさんには、よりよい仕事を見つけ、働きやすい環境にする、利用者さんの職業能力を高めるアプローチをおこなってほしい」と話しました。

新堂塾長も「よい仕事とは、なにをつくっているのか、社会にどう役立つのかがわかるもの。その上で高い給料につながるものです。それには利用者さんにできる仕事をあてがうのではなく、できる仕事を増やすための支援が大切です。売上を伸ばす経済活動と利用者支援の両方ができてこそ、利用者さんは安定して働き、暮らすことができます」と説明しました。

実践塾の元塾生の体験談に学ぶ

新堂塾で学び、成果を上げた元塾生3人が実践報告をおこないました。

障害者支援センター出愛いの里(兵庫県)の高橋勝茂主任は、新たにプラスチックダンボールの清掃や DM の封入封緘などの受託仕事を開拓。2015年8月には、入塾前の約9倍となる3万7583円の給料を実現しました。愛知県にあるワークセンターフレンズ星崎の稲垣伸治副所長は、仕事の仕組みや、さまざまな治具を開発。利用者さんの能力を伸ばし、DM 発送代行業務を柱に月額平均給料約3万9000円を達成しています。滋賀県の第二むつみ園は、私物クリーニングで月額平均給料を4万4981円に。坂元孝行所長は、利用者さんが数を数え、簡単な計算ができるようになれば、もっと仕事ができるようになると公文式の勉強を導入。仕事に従事できる利用者さんも増やしています。

続いて菅野教授が「仕事の環境や工程の見直し」をテーマに講演。その後、会場の参加者も交えてシンポジウムをおこないました。

「どうやって仕事を開拓したか、仕事を効果的に進める上でどんなルールを取り決めたか。利用者さん、職員の意識はどう変化したか」などを講演者が体験談をとおしてトーク。参加者は、積極的に質問を投げかけるとともに、自分も実践塾に参加し給料増額への階段を登っていきたいと意欲を高めました。このセミナーは、次回6月11日に京都で追加開催を予定しています。

新堂 薫 塾長

新堂塾アドバイザー, 菅野 敦 教授

障害福祉サービス事業所,第二むつみ園,坂元 孝行 所長

ワークセンターフレンズ星崎, 稲垣 伸治 副所長

障害者支援センター, 出愛いの里, 高橋 勝茂 主任

真剣なまなざしで、報告に聞き入る参加者

塾を卒業後もさらに上を目指して, フォローアップセミナー

妥協せず互いの改善点を指摘し合う

2月10、11日に東京、晴海グランドホテルでおこなわれたフォローアップセミナーは、新堂塾を卒業した塾生たちが、自主的に開催したものです。その目的はそれぞれの成果や問題点を報告、検討し合うことで互いにプラスとなる情報を持ち帰り、さらなる給料増額を目指すことにあります。新堂塾長と菅野教授もセミナーに参加。さらなる給料増額達成のために、1人ひとりに厳しいアドバイスを送りました。

各人の報告を参考に自分に足りない点を見つめ直す

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