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熊本地震の被災地から報告。

安心を取り戻すために動き出しています。

被災施設をリサーチし必要なものを財団で助成。

4月14日に発生した熊本地震は、深刻な被害を及ぼしました。2ヵ月経過の今(取材時)は、仮設入居も始まり少しずつ復旧が進んでいます。

震源地の益城町と同じく震度7を超える地震に襲われた西原村にある NPO にしはらたんぽぽハウス。上村加代子施設長は「真夜中に体が飛び跳ねるほどドスンと強烈な地震が来ました。渦を巻くような揺れに家中の家具は倒れ、足の踏み場がないほどでした」と話します。翌朝、地割れを避けながら車で事業所へ向かうと、すぐに利用者さんの安否を確認。「25名全員が無事とわかったときは、ほっとしました」。食堂を兼ねた事業所は大変な状況になっていましたが、ボランティアのかたの助力でなんとか使える状態になり、避難所への炊き出しを開始します。

「約1ヵ月半、1回約300食を朝昼晩とフル回転でつくり続けました。みなさんの笑顔を見ると疲れも吹き飛ぶのですが、避難所に はいれず 車中泊しているかた、被災した家の中で不安に過ごしているかたもたくさんいます。そこで約2600戸ある地域の戸別訪問を始めたのです。食事をとっていますか、物資は足りていますか、健康状態はいかがですかと一軒一軒巡っています」。温かい食べ物は人を勇気づけると話す上村さんに、財団は常温と保冷設備が整い、スープジャーなどで温かいものも運べる移動販売車を助成することにしました。上村さんは、この機会に障害のあるかたとの新しい繋がりを築こうと決意。「今まで引きこもっていたかたともお話でき、彼らを受け入れできる新しい作業所も建設しています」。新事業所では弁当の製造をおこない、事務所やグループホームも併設予定です。

被災した障害者を支える福祉施設間のネットワーク。

他にも震災で住まいを奪われた利用者さんを抱える社会福祉法人わくわく障害者共同作業所ふれあいワークを支援します。「地震に襲われたとき、あるグループホームに電話が繋がらず心配して訪ねると、倒れた本棚や TV の間で4人の利用者さんが身を寄せ合い震えていました」とサービス管理責任者の里50人が事業所で寝泊まりしていた時期もあります。「そんなとき、夢へのかけ橋実践塾の武田塾長や塾生が、食料、トイレットペーパーなどを送ってくれました」。ふれあいワークは、武田塾の卒業生です。実践塾の塾生たちは、今も繋がっています。

現在、利用者さんは無事に新しい住まいを確保。財団は、グループホームでの生活に必要な家具や家電などの費用を助成する予定です。

こうした被災地の応援に日本障害フォーラム(JDF)熊本支援センターも奔走しています。各施設の悩みを聞き、上村さんたちと協力して障害のあるかたの自宅を訪問。地震で散乱した室内の片付けもおこなっています。「相談できる仲間がいると本当に心強い」と上村さん。JDF の活動は現地を支えています。

戸別訪問する上村さん(にしはらたんぽぽハウス)。

被災地で障害者を支援(JDF)熊本支援センター。

住まいを取り戻した利用者さん(ふれあいワーク)。

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