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リレーコラム、夢をつないで、第10回。

地域の問題も、皆で解決したい。

社会福祉法人ドリームヴイ、理事長、小島 靖子。

東京学芸大学卒業後、東京都の教員として勤務。そのうち、34年間、養護学校で、知的障害の子どもたちと過ごす。定年と同時に、卒業生を応援する会に加わり、スワンベーカリー(有限会社 ヴイ 王子)の立ち上げ、経営に関わる。その後、福祉的な場を必要とする人たちのために、社会福祉法人ドリームヴイの立ち上げに関わり、就労支援や、生活支援、地域の町おこしを進める。第3回ヤマト福祉財団賞 受賞。

1998年ごろ、王子養護学校(現、王子特別支援学校)の卒業生たちを応援していこう、と、卒業生の親や、職員たちで作った会が土台となって、地域で生きつづけられるよう、さまざまな取り組みを始めました。

ちょうど、その頃、ヤマト福祉財団が、障害者の働く場作りを目指して、フランチャイズ展開を始めていた スワンベーカリー に出会ったのです。イートインコーナーを大きくした、店舗付きパン工場を作ることができれば、立ち寄る人も、働く人もいる場ができると確信し、北区十条に有限会社 ヴイ 王子を設立して、スワンベーカリーのフランチャイズ1号店を、1999年5月に開店。亡き、小倉昌男 氏の指導をいただきました。

工場付き店舗として借りることのできた場所は、立地条件の良くないところ。そのため、待つだけでなく、お客さんのところへ出向く、宅配サービスによる販売と、出張販売を考えました。「スワンベーカリーです。パンを届けにきました」、「ご苦労様。また来週もよろしく」。学校や会社、官公庁などの出張販売先でも、彼らを待っていてくれる人たちとのやり取りができるようになりました。

当時、障害のある人たちが街に出て接客することは、画期的なことだったのです。小倉さんも、パンをぶら下げて届けに行く様子を見て、たいへん喜んでくださいました。その後、生活の支援が求められるようになり、社会福祉法人ドリームヴイを設立。さまざまな障害者福祉事業を進めました。

あれから20年。障害のある人が街に出るようになった今、地域が必要とすることの中で、私たち社会福祉法人の、障害のある人とスタッフが一緒になって、地域で担っていけることはないだろうか、と、考えるようになりました。

北区の桐ヶ丘地区は高齢化が進み、中央商店街もシャッターどおりと化しています。そこで、空き店舗をお借りして、高齢者に栄養バランスの良い食事を、と、カフェレストラン ヴイ長屋 を開設しました。高齢者がここで出会い、繋がりを深め、子どもも立ち寄って、世代間の交流もおこなうことで、街の活性化に繋がることを願っています。

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