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障害者の働く場、パワーアップフォーラム。沖縄、深堀、2019。

2年目で見えてきた課題を、ひとつひとつ深堀し、解決。

10月18日、沖縄コンベンションセンターで、障害者の働く場、パワーアップフォーラム、沖縄、深堀、2019を開催しました。本フォーラムは、現地実行委員が中心となり、自ら課題を考え、取り組むものです。本財団は、3年計画で応援し、今年はその2年目となります。

沖縄に適した事業の具現化へ。みっつの分科会で、次の目標を設定。

主催者挨拶で、やまうち理事長は、「障害のあるかたが、地域のかたに必要とされる仕事に従事し、より多くの収入を得て、生活を楽しむことができる。そんな、みんなが幸せになれる社会の実現に向けた深堀を、力を合わせて進めてください」と伝えました。

シンポジウムでは、障害のあるかたの働く場の拡大や、給料増額で実績を上げている3名が、独自の取り組み方法を報告しました。コーディネーターは、時流講座を講演された、きょうされん、専務理事の藤井克徳氏です。

最初に登壇した、株式会社 ゆにばいしがき、代表取締役、つかやま わたる氏は、平成13年に石垣じまへユーターン。「埼玉県で知的障害者を支援していましたが、石垣じまは状況がまったく違います。それでも地域や障害のあるかた、ひとりひとりの個性、強みを活かせるように仕事づくり、仕掛けづくりに取り組んできました」。

地元のお店や企業と協力体制を築くことで、サンシンが得意なかたは居酒屋に、発達障害の高校生は児童の学習支援にと、さまざまな形で仕事づくりを支援。「当事者も支援者になれる、そんな環境が、着実に整いつつあります。さらに、全国の、業種とのつながりを持ち、より仕事の輪を広げていく考えです」。

障害者アイティーサポート、おきなわの管理者、仲根 建作氏は、車椅子ユーザーの当事者です。

「私たち、移動困難者を含め、働く上ですべての障害者に、アイティー支援は欠かせないものです。そこで、いままで沖縄になかったアイティーサポート事業をはじめようと、法人を立ち上げました」。

仲根氏は、アウトリーチで相談に乗り、機器の貸し出しから、セッティングや、使いかたなども総合的に支援。テレワークも推進しています。「どんなに障害が重いかたでも社会参加がしたい、仕事をしたいと願っています。その思いに応えていくためにも頑張り続けます」。

合同会社ソルファコミュニティ、 Team Village 、代表社員、玉城すぐる氏は、農福連携をキーワードに掲げています。「人手不足で悩む農家と、働き手がたくさんいる福祉施設。互いの力を活かし合えば、地域活性化にもつながります」。農業は、水やりや、種蒔などで作業を細分化でき、それぞれに合う仕事も見つかると解説。

「私たちの農地は約7000坪あります。売り上げ拡大に、商品価値の高い自然栽培で野菜を作ったり、お菓子屋さんの出資を得て、バニラビーンズの栽培もはじめました。技術面や、販売先開拓など、いろいろな課題はありますが、地元のかたと力を合わせ、ひとつひとつ解決しています」。

午後には沖縄県政策参与、株式会社、照正組、代表取締役会長のてるやよしみ氏が、特別講演をおこない、戦前、戦中、戦後、そして現在に至る、沖縄と、障害者の歴史を紐解きました。

「沖縄の平和問題の原点は、障害者問題でもあります。平和とは、たんに戦争がないということではありません。小さな子どもから、お年寄りまで、命あるすべての者の豊かな生活が保障されてこその平和です。いま私は、障害者の働く農場経営を計画しています。弱者が守られる地域社会を実現できるか否かは、福祉に関わるみなさんの手に委ねられているのです」。

その後は、共に語ろう、これからの10年、をテーマに、みっつの分科会で現在、進めている取り組みを検討。実際に動き出すことで見えてきた課題の解決策を、それぞれ深堀していきました。

シンポジウムでは、沖縄ならではの特性を活かして事業を展開する、3人の先駆者たちが具体的な取り組みを報告しました。

「初めて参加されたかたも、分科会で先に取り組みを進めているかたたちの話を聞き、積極的に意見を述べてほしい。そこから、自分にできる具体的なヒントが、きっと見つかるはずです」と、やまうち理事長。

1st. パワーアップフォーラム、沖縄、キックオフ。
テーマごとに活動し、沖縄で暮らす障害のある人に役立つプランを考える。
2nd. パワーアップフォーラム、沖縄、深堀、2019。
準備したプランを実行し、結果を見極めながら、さらに深める。
3rd. パワーアップフォーラム、沖縄、広がり、2020。
各自の実践や知り合った仲間との交流の継続。

きょうされん、専務理事、藤井 克徳 氏。

障害者が当たり前のように働く姿を見れば、世間の偏見もなくなっていきます。福祉か雇用かではなく、福祉も雇用もです。当事者の声を大切に、今後も、仕事を創出し続けてください。

沖縄県政策参与、株式会社 照正組、代表取締役会長、てるやよしみ氏。

風化させてはならない沖縄の歴史を語り継ぐことは、私たちの務めです。これからもみなさんとともに、平和、共生、自立をテーマに、現在の福祉の問題と正面から向き合い続けます。

株式会社、ゆにばいしがき、代表取締役、つかやま わたる氏。

障害のあるかたが地元で必要とされる存在となるには、地元文化の継承に関わることも重要です。石垣じまで採れる粘土の精製をする事業を、窯業者の協力を得て開始しています。

障害者アイティーサポートおきなわ、管理者、仲根 建作 氏。

働きかた改革でテレワークの可能性が広がっています。本人のスキル向上から、アイパッドの活用や遠隔操作ロボットなどのツール改善まで、より多くのかたが働ける工夫を続けています。

合同会社ソルファコミュニティ、Team Village、代表社員、玉城すぐる氏。

365日、土に触れ、汗を流すことで、障害のある者も晴れやかな気持ちで働くことができます。農福連携は、地元のかたと一緒に、一歩、前に出ることで、必ず成功できる、と、私は信じています。

第1分科会の報告。

食文化、販路開拓、アンテナショップづくり。目指すのは、プロ意識での販売強化。

第2分科会の報告。

ビジネスマッチング。ポータルサイトとイベントで情報発信。

第3分科会の報告。

観光、おもてなし。外国人観光客の喜ぶ、カプセルトイでアピール。

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