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利用者さんの給料増額へ向かって。

夢へのかけ橋 実践塾活動報告。

新堂塾、楠元塾のふたりの塾長は、見学、勉強会で全国の塾生施設を巡りながら、現場の改善点を丁寧にアドバイス。さらに、塾生以外の、他の職員の参加も呼びかけ、より働きやすい、効率的な仕事場とはなにか、どこをどう改善すべきかなどを、全体で理解、推進できるように指導しています。

新堂塾。見学、勉強会。1月28日、29日。

同じ福岡県でも、状況や、事業も異なる、3塾生施設へ。生産活動の正しいありかたをベースに、改善点を探る。

1月28日、29日、第4期新堂塾は、福岡県から参加している3名の塾生施設を訪れ、見学、勉強会を開きました。

初日は、北九州市で、軽印刷と、お菓子の製造販売などをおこなう、社会福祉法人、北九州障害者福祉事業協会、とりはた玄海園就労センターへ。仕事量を増やすには、どうしたら良いだろう、と話す職員たち。新堂塾長は、「作業の主役は利用者さんです。利用者さんの可能性を伸ばしながら、給料増額を進めること。そのために、作業の効率化や、利用者さんがわかりやすく働くことができる職場づくりを取り入れていきましょう」と伝えました。

翌日、訪れたのは、田川市で、パンと、クッキーの製造販売をおこなう、社会福祉法人、つくしの里福祉会、第2つくしの里です。生産現場を見た新堂塾長は、「食品を扱うなら、衛生管理は絶対厳守です。5S をもっと徹底していけば、スペースも広くなり、動線も良くなります」と話しました。

続いて、新事業所を計画する太宰府市の NPO 法人、ふくおか福祉、とびうめ会で、ペットフードの生産をおこなう事業所を見学。「生産活動の効率は、作業者、材料、機械設備をどう動かすかで変わります。停滞させない流れ、管理を考えていきましょう」とアドバイスしました。

とりはた玄海園就労センター。整理整頓など、5S を徹底すれば、働きやすい職場になり、決めたことを守る会社の風土も築くことができます。

第2つくしの里。いまのままだと、動線に無理があります。工程を再度分析し、効率をよくしていきましょう。

ふくおか福祉、とびうめ会。作業分化を見直し、どうやっておこなうかを、利用者さんにわかりやすく伝える工夫が大切です。

楠元塾:見学、勉強会。1月23日、24日。

美味しく作ることができているのだから、全員で衛生管理を徹底し、食の事故を未然に防ごう。

1月23日、24日、第3期楠元塾で、初めての見学、勉強会を、ふたつの塾生施設でおこないました。初日は、鹿児島市の NPO 法人、ともいき、就労支援センター みらいず です。ここでは、お惣菜をおおざらにもり、バイキング形式で販売しています。

楠元塾長は、「どれもとても美味しいですよ」と評価しながらも、「衛生管理をどこまで理解していますか」と指摘。「お客さまが、お惣菜を入れるカップなどを手に取るとき、内側に指がはいらないように、上向きでなく下向きに置くべき」とアドバイス。また、「検便は毎月実施。施設の当事者だけでなく、出入りの業者にも提供を求めてほしい。事故が起こってからでは取り返しがつきません」と念を押しました。

翌日は、鹿児島市内にある、社会福祉法人、敬和会、就労支援センターハーモニーへ。ここでも衛生管理の重要性を説きながら、さらに効率的な弁当の作りかたも指導。「注文が来て、いちからすべてを作るのではなく、卵焼きなど、先に仕込みができるものは先に作りましょう。ケチャップも小さく N の字を書くようにすると、利用者さんにもわかりやすく、スピードもアップします。工夫を重ねることで、いちにちに生産できる弁当の数が変わってきます」と伝えました。

就労支援センターみらいず。惣菜は、種類が多彩で、どれも美味しく、みばえも素晴らしいですよ。

就労支援センター ハーモニー。唐揚げも、煮物も、持って帰りたいほど美味しいですよ。あとは調理、弁当詰め、配達まで、全体の動線を見直し、効率を上げましょう。

新堂塾:第2回研修会。2月10日、11日。

塾長施設で開いた研修会から学んだのは、利用者さんの働く力を伸ばす働く場や、支援のありかた。

2月10日、11日、塾生たちは、新堂塾長の施設をモデルに、それぞれの課題の具体的な解決方法を学び、取り入れることにしました。

塾長の社会福祉法人、武蔵野千川福祉会には七つの事業所があり、利用者さんは能力を高めると、次の事業所へとステップアップし、給料も増額していく仕組みになっています。今回はその中から、ワークイン関前と、チャレンジャーを見学。月額平均給料、10万円を超える利用者さんの働く姿を見た塾生は、自分の施設とのさまざまな違いを発見することができました。

「利用者さんには、全体の流れと、何を作っているのか、その中で自分がどんな役割を果たしているのかを知ってもらいます。働くほど、能力が上がるほど、高い給料をもらえることで、仕事への意欲も増し、より成長していくこともできるのです」と、新堂塾長は解説しました。

翌日は、ホテル フクラシア晴海でおこなわれた、塾生の報告に対し、新堂塾長と、かんの教授が、ひとりひとり、丁寧にアドバイス。「たとえば棚をひとつ作ると、どう仕事がやりやすく変わるかなど、目に見える形で示しながら、職員の理解を深めてください」と、実践方法も交えて講評しました。

研修で学んだ、良いことは、すぐにやってください、と新堂塾長。かんの教授は、「どういうことができるかという利用者像を考えて、取り組んでほしい」と研修の最後に伝えました。

取り組み報告では、営業強化にも取り組んでいるが、成果がなかなか出ないと話す塾生も。

「ひとりひとりの動作レベルを職員が見守り、改善指導していくことで、個人の力も全体レベルも高まります」と、かんの教授。

「スキルアップした利用者さんは、ひとりですべてをおこなう、セル作業もこなせるよう になっています」と新堂塾長。

塾長施設で、ひとつひとつが学びになる、と塾生の真剣な表情。

楠元塾:見学、勉強会。2月20日、21日。

仕事の進めかたから、職場の衛生、安全管理まで。売上を伸ばしていけるかは、支援の力次第。

2月20日、熊本県熊本市の社会福祉法人、くまもと障害者労働センター、オレンジカフェを訪れました。ここは、新しいカフェと、弁当事業ができる作業場の開設を進めています。楠元塾長は、「いまは、まだ、お弁当屋さんを模索している段階です。調理も、配達も、つねに次の段取りを考え、進めていくこと。衛生管理を、利用者さんにどう伝えて徹底するか。布巾の置き場所からしっかり考え、新しいルールを作ってください」と指導。勉強会に参加した利用者さんからも、「盛り付けをするときの動きをどうすれば良いか」などと質問がありました。「新しい仕事場では得意なことも、いままでできなかったことも、職員と一緒に挑戦してください」と伝えました。

翌日は、大分県社会福祉法人、つわ蕗会、つわぶき園へ。「お弁当は美味しくできていますが、調理場や、食品倉庫など、衛生面や、動線などから、改善が必要ですね」と話します。また、弁当を抱えて、利用者さんが階段の上り下りをしなければならない点も問題がある、と指摘。「まず、安全に働ける環境を整えた上で、5S を踏まえた、効率的な職場へと改善してください。売上を伸ばせるか否かは、職員の支援の力次第ですよ」と、他の塾生にも呼びかけました。

オレンジカフェ。「利用者さんの能力を、しっかりとつかんであげてください。適材適所で働けば、どんどん成長しますよ」。

つわぶき園。「お客さまに喜んでいただけるお弁当を作っていると思います。まずは、弁当屋としての環境を改善してください」。

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