自らの行動で、回りの理解を。
現在世界各地で、シーオーブイアイディ 19 が大流行しています。未だ、このウイルスについて、わかっていないことが多く、日本でも、感染に怯えながら生活することを余儀なくされている状況です。
私は、現在、理学療法士として、3次救急の急性期病院に勤めており、シーオーブイアイディ 19 疑いの患者様も受け入れている病院です。そのため シーオーブイアイディ 19 疑いの患者様が連日搬送されてきており、医療行為を行っています。その医療行為の中に、私たち理学療法士がおこなうリハビリテーションも含まれています。私は、今年の3月に理学療法士の資格を取得し、4月に現在の病院に入職した新人であるため、シーオーブイアイディ 19 の患者と関わることは基本的にありません。しかし、ほかの患者様からは、「直接かかわらなくとも、感染のリスクが高い病院という場所で医療行為を行ってくれていることに、いつも感謝している」ということを度々、仰っていただくことがあります。その言葉を聞くたびに、地域や、世間のお役に立てていると感じることができ、この、理学療法士という仕事に充実感、やりがいを感じています。
このように、充実感、やりがいを感じながら仕事ができるのは、もちろん私だけの力ではなく、周りのサポートあってのことです。私には視覚障害がありますが、同僚には、私の見え方や、どのようなことができないのでサポートしてほしい、などを詳しく説明しています。それは、障害のない人からすると、障害の程度や、状況は、本人にしかわからないことが大多数であるからです。厳しい話になるかもしれませんが、社会では、全員が自分のことを理解しようとする人ばかりではありません。自分から行動し、自分の持つ障害を理解してもらうことは、重要となってきます。そうすることで、周りから自分の障害についての理解を得られ、より円滑に仕事がおこなえるようになると考えています。
自分の障害の状況を説明するのは、決して簡単なことではなく、難しいことです。しかし、しっかりと説明し、理解が得られ、円滑に仕事がおこなえれば、障害がありながらも、周囲の役に立つ人間になれる、と私は考えています。奨学生の皆様が、そうなれることを私は願っています。