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2020年度、障害者の働く場、パワーアップフォーラム。今年は、オンラインセミナーとして開催。

テーマは、人は自立して生活することで幸せを感じられる。

今年のパワーアップフォーラムは、コロナ カ でも、より多くの方が参加でき、高い意識で取り組みを続けられるように、オンラインセミナーで開催しました。9月25日、東京会場編と、10月2日、大阪会場編、ヤマト福祉財団の理事長室から配信し、合わせて、約300名の視聴者に参加いただきました。

オンラインで、職員も、利用者さんも一緒に受講。

今年のテーマは、人は自立することで幸せを感じられる、です。

セミナーは、やまうち理事長による、クロネコヤマトの満足創造経営の講演から開幕。ヤマトグループが、どのような経営戦略で、お客さまのご要望に応えてきたかを振り返り、福祉施設が売上と、給料増額を目指すための、九つの経営ヒントを紹介しました。

「コロナ カ でさまざまな変化に直面し、戸惑っているかたもいると思いますが、できなくなったことだけではなく、できるようになったこともあるはずです。お客さまと、現場職員の声は、経営者にとって、宝の山。そこには新しいアイデアが隠されています」。

続いて、きょうされん、藤井 克徳 専務理事による時流講座へ。

「同じコロナウイルスでも、各国の対応は異なっています。これは政治や制度、人々の意識の違いであり、人権問題に対するバロメーターとしても見ることができます」。そのためにも正しい情報を知ることが大切と、藤井氏は現在の社会保障、障害分野をめぐる動き、就労の実態などを詳しく解説しました。

さらに、講演者には、ヤマト福祉財団、おぐら まさお賞受賞者が、実践報告には、夢へのかけ橋実践塾で学んだ施設職員がオンラインで登場。

視聴者からは、「いつもは会場に行けない利用者さんや、職員も、一緒に受講できて良かった」などの感想がありました。

シンポジウムでは、コーディネータの藤井氏が、自立生活と幸せについて、シンポジストたち、ひとりひとりの考えをピックアップ。また、視聴者からの質問もオンラインで受け、シンポジストたちが、直接、アドバイスをしました。

ヤマト福祉財団の理事長室を、オンラインセミナーのメイン会場にセッティング。当日、東京会場編には、やまうち理事長と、きょうされん の藤井専務理事が、大阪会場編では社会福祉法人、武蔵野千川福祉会の新堂氏も同席されました。

講演者や、実践報告者は、オンラインで参加。事前テストにも協力いただき、準備を整えました。

やまうち理事長。変わるべきもの、変わるべからざるものの両方を大切に、経営者として、正しい舵取りをおこなってください。

きょうされん、藤井専務理事。いま守るべきは、利用者さん、職員、事業所のみっつ。大切なのは、その中心に利用者さんを置くことです。

9月25日、東京会場編。

講演。

社会福祉法人、はらから福祉会、理事長、武田 はじめ 氏。第3回ヤマト福祉財団賞受賞。

簡単な仕事も、難しい仕事も、どちらも商品づくりには大切。それをみんなが理解しているから、同じ給料を支払えます。

社会福祉法人、キャンバスの会、理事長、楠元 洋子 氏。第13回ヤマト福祉財団おぐら まさお賞受賞。

コロナ カ でも、アイデア次第で、新たな可能性を広げられます。失敗を恐れずに、できることからトライしてほしいですね。

実践報告。

社会福祉法人、亀岡福祉会、第三かめおか作業所、施設長、日下部 育子 氏。

ピーディーシーエーのP、計画、目標では、職員みんなが納得できる、明確な数字を立てることが大切になります。

一般社団法人、おひさま、いいはたらくばトポス、施設長、小林 綾子 氏。

毎日みんなで改善点を話し合いました。1日75個しかできなかったお弁当が、現在は1日450個に伸びています。

利用者さんの成長する姿は、職員の働く喜びであり、原動力。

午後の講演で、はらから福祉会の武田氏は、最も障害の重いかたを、円の中心に置いてほしい、と、話しました。「障害の重い軽いに関係なく、一緒に働けるチーム化。難度の高い作業も、利用者さんが担当できる機械化。これにより、全員に、より高い給料を支払える、高品質な商品づくりを実現します」。

キャンバスの会の楠元氏は、弁当配食サービスで成果を上げるノウハウを紹介。「食材、観光資源、人材など、地元になにがあるかを調べてください。それを活かして、なにができるかを考えれば、市場競争に打ち勝つアイデアも生まれてきます」と伝えました。

続いて、亀岡福祉会の日下部氏、おひさまの小林氏の実践報告へ。おふたりは、夢へのかけ橋実践塾の卒業生です。武田氏、楠元氏より学んだことを、どう反映しているのか。成功だけでなく、失敗談も交え報告しました。

シンポジウムで話し合ったのは、利用者さんの自立と幸せについてです。「働くことができないと、1本の缶ビールも自由に飲めない。まずは働き、収入を得ることから」。「なんでも完璧を求めない。上手、苦手を含め、その人に合う働く場を提供したい」。「できることを評価し、時給も上がると、やる気も違ってくる」。「どんどん目標や夢が広がっていく利用者さんの姿を見ていると、私たちも幸せになれる」と、話は広がっていきました。

10月2日、大阪会場編。

講演。

社会福祉法人、武蔵野千川福祉会、常務理事、新堂 薫 氏。第9回ヤマト福祉財団おぐら まさお賞受賞。

ちょっとした工夫で、利用者さんのできることは広がっていく。そんな支援こそ、福祉施設職員に求められる専門性です。

エヌピーオー法人、Endeavor Evolution、理事長、松浦 一樹 氏。第18回ヤマト福祉財団おぐら まさお賞受賞。

仕事を提供するだけでは福祉と呼べない。家族のように悩みを共有できれば、本当に必要とされる支援もできます。

実践報告。

社会福祉法人、ゆたか福祉会、ワークセンターフレンズ星崎、副所長、稲垣 しんじ 氏。

利用者さんの挑戦意欲に応えられる職場環境さえあれば、コロナ カ でもピンチをチャンスに変えられるはずです。

エヌピーオー法人、ふくおか福祉とびうめ会、代表理事、福本 慎吾 氏。

ペット関連の商品づくりで売上を拡大。利用者さんの育成と、評価方法を工夫し、能力に応じた給料増額を実現します。

汗水流して得たお金の価値を知るのも、自立と幸せの第一歩。

最初に講演した、武蔵野千川福祉会の新堂氏は、DM の封入、封かんを、複数の事業所で展開しています。「利用者さんは、働く力を身につけると、より高い給料の事業所に異動できます。給料が上がれば、仕事への意欲や責任感、新しい夢も生まれてくる。そんな利用者さんの姿を見るのが楽しみです」。

Endeavor Evolution の松浦氏は、施設外就労に特化した仕組みで、一般就労へのステップアップを実現しています。「得意、不得意関係なく、みんなが協力し合い、仕事をやりこなす。この経験が、社会や、企業で働く上で活きてきます」。

実践報告では、ゆたか福祉会の稲垣氏、ふくおか福祉、とびうめ会の福本氏が登場。給料増額に、誇りの持てる仕事づくりに、どのように取り組んでいるかを報告しました。

シンポジウムのテーマは、利用者さん目線で考えた、自立と幸せです。「職員がおこなう仕事を、利用者さんが担当。家族にほめてもらえてうれしそうです」、「自分たちの商品が店頭に並ぶ姿を見て、社会とつながる喜びを感じている」などの考えが出ました。また、汗水流して稼いだお金は価値が違うことを学んでほしい、との意見もあります。「利用者さんが給料をどう使うか。社会人として自立し、幸せな人生を送るために、職員の支援が必要です」と、視聴者に呼びかけました。

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