このページと、以下のページは音声読み上げブラウザに最適化済みです。

リレー コラム、夢をつないで。第18回。

東京家政大学、名誉教授、精神保健福祉士、上野 ようこ。

1971年3月、日本社会事業大学、卒業。2014年3月、高崎健康福祉大学にて保健福祉学博士の学位取得。大学卒業後、精神科ソーシャル ワーカーとして勤務。ハートランド事務局長。1995年10月に社会福祉法人の認可を受け、ほうしん会の理事、2009年から2019年、理事長を務める。東京家政大学、名誉教授。2018年、第19回ヤマト福祉財団おぐら まさお賞、受賞。

新型コロナ ウィルス感染状況下のメンタル ヘルス。

新型コロナ ウイルス、以下コロナは、近い将来、ワクチン提供が可能とのことですが、その効用と、副作用が実態化されない中、感染したらどうしよう、仕事は、この先どうなるのだろう、など、健康や生活の、先の見通しが立たず、希望が見えない中で、私達は大きな不安を抱えていますが、どのような専門家でも、コロナの流行は初めての経験なのです。

心理学的に、不安になることは異常な事態に対する正常な反応、と言われています。自治体や、関連学会、医療機関等から、コロナ感染リスクに伴うメンタル ヘルス ガイド ブックが作成されていますが、コロナとの関連性の実態は、まだ十分に把握されていません。

感染症対策を推進する際に、経済とのバランスだけでなく、メンタル ヘルスとの関係性について、もっと積極的な対応や、検討が必要と思います。

コロナが契機となり、新たな生活様式や、価値観が生まれています。心の健康の問題はそうした社会の転換と密接に関わる問題として、日本精神神経学会や、関連学会から、メンタル ヘルス対策指針が出ているので、ご参照ください。

国や、自治体、マスコミによる自粛要請や、注意喚起は、感染拡大を防ぐためには有効ですが、精神的な緊張と、負荷がかかることも多いと思います。

精神疾患や、障害を有している方々は、強い影響を受けやすく、既存の精神疾患の再燃、または悪化を引き起こす可能性が指摘されています。

日本赤十字社の、心理的応急処置、こころの救急法は、災害時の対処法として作成されたものですが、コロナ感染かのメンタル ヘルス支援の在り方にも通じるもので、困難な状況にある人々が、安心した気持ちを回復させるのを支援するには、ニーズと心配事を見極め、バーチャルではなく、人と人を繋げる実体が伴った、コミュニティの大切さを発信しています。本当にその通りだ、と改めて強く感じいるこの頃です。

公益財団法人 ヤマト福祉財団 トップページへ戻ります。
ヤマト福祉財団 NEWS の目次へ戻ります。