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リレーコラム、夢をつないで、第19回。

社会福祉法人、オリーブの樹、理事長、加藤裕二。

1979年3月、日本社会事業大学、社会学部、児童福祉学科、卒業。1981年4月、宮崎障害者、自立生活センター設立、事務局長に就任。1984年4月、ワーク ホーム オリーブ ハウス設立、代表に就任。2000年8月、社会福祉法人、オリーブの樹、設立、理事長に就任。現在、エヌピーオー法人、生活サポート、千葉副理事長、エヌピーオー法人、就労継続支援A型事業所、全国協議会副理事長、エヌピーオー法人 ちば Aネット理事長を務める。

おぐら まさお氏の言葉に思う。

私の運営するオリーブハウスは、35年前に、手作りクッキーの製造販売を開始しました。当時は、作っても売り場が無く、街頭での販売を行っていました。やがて、そこで知り合ったお客さんや、口伝えに知った方々から、出店の要請が入るようになりました。休日、盆暮れ、早朝、夜間、県外等、日や時間、場所に関わらず、販売に出向きました。中には、明らかに採算の取れない所もありましたが、オリーブハウスが出店することで、少しでもそのイベントが盛り上がれば、クッキーを買って喜んでいただければ、との思いで出店の場を拡げました。

20数年前に、ヤマト福祉財団の創始者であるおぐら まさお氏より、「良いサービスを提供すれば、利益は後からついて来る」との言葉をお聞きしましたが、オリーブハウスでは、それは、「要請があればいつでもどこでも売りに行く」という出店販売であると思われ、一層、それに力を注ぎました。その結果、年間約600か所の販売場所を獲得することになりました。販売こそが、僅か5名でスタートしたオリーブハウスを、200名余りの障害者に利用してもらえる、社会福祉法人オリーブの樹に発展させる原動力となりました。

しかしながら、今回のコロナカは、この出店販売活動を、一瞬の内に、全て崩壊させました。昨年の3月以降、あらゆるイベント等は中止となり、そこでの収入はほぼ無くなることとなりました。暗澹たる思いの中で、ふと、おぐら氏の先の言葉を思い出しました。新たな良いサービスを創れば良いのだと思い、外出自粛により、買い物に行けずにいる人達に、クッキーを直接宅配する、おやつお届け便と、ネットで買えるオンラインショップを始めました。これは、今までの出店販売と比べると、広報のポスティング、受注、配達、発送と、手間の掛かることになりましたが、私から脱イベント販売宣言を発し、法人全体で取り組んだ結果、3月から12月の売上は、前年並みとなりました。

まさに、おぐら氏の言葉の意義を実感することになりました。

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