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夢をつないで。リレーコラム。第23回。

社会福祉法人、はらから福祉会、理事長。武田 はじめ。

1942年生まれ。1966年に、宮城県公立学校教員になり、31年間勤務。1979年から、障害者に関わる活動に参加し、はらから会を立ち上げる。社会福祉法人、はらから福祉会、理事長。2010年12月から2013年1月まで、ヤマト福祉財団主催、障害者の暮らし変革塾、塾長。2013年9月から2015年9月まで、夢へのかけ橋実践塾、武田塾、塾長。2015年10月から2017年9月まで、同、5万円必達塾、塾長。2002年12月、第3回ヤマト福祉財団賞受賞。

困難さは困難なだけ。不可能ではない。

はらから福祉会は、無認可時代を含めると、今年、40周年の節目の年を迎えます。昭和58年、1983年、養護学校高等部を卒業して、行き先が無かったり、長年在宅生活を余儀なくされた重度の人たちの働く場としてスタートしました。障害者5名と、ボランティアで。

それから40年、働くことを生活の柱に、を、スローガンに、働くことと、暮らせる賃金の保障にこだわってきました。年金とあわせて暮らせる収入を目標に、目指すは、工賃7万円としました。令和3年度、B型事業所、7か所のうち、2か所が目標を達成しそうです。ここ2、3年で全事業所が、目標を達成するべく、取り組んでいるところです。

この40年間でわかったことがあります。

それは、障害からくる、仕事上の困難さを解決できるのは、高収益の商品づくりであるということです。言い換えれば、高い工賃を払うことができる仕事こそが、障害の重い人達を働き手に育てます。

高収益の商品は高品質です。難しい作業工程があります。これを手作業でやろうとすれば、障害からくる不自由さに負けてしまいます。時には、不可能に近い状態になります。ではどうするか。機械化です。最先端の科学技術を導入することで、人間の限界を取り払います。この時、問われるのは、導入する高額な機械の減価償却費を賄える売り上げを上げることができるかどうかです。販売戦略も問われます。

全国豆腐品評会金賞受賞、みやぎ生協をはじめとする、地元の大型量販店への納品、地元小中学校給食へのパンの納品、地元自治体での、ふるさと納税返礼品の採用等が、はらから福祉会の現在の到達点です。

みんな、やりがいのある仕事をしたいと思っています。みんな、誰かの役に立ちたいと思っています。このことに例外はありません。これが、私たちの働くことについての基本的な考え方です。みんな、いろんな困難さを持っています。しかし、困難さは困難なだけです。不可能ではありません。知恵を出し、力を合わせて、ゴールへ向かおうと思います。

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