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スワン工舎卒業生訪問、36。株式会社 ENEOS フロンティアさま。

不安になったこともあったけど、頼りにされると嬉しいから、頑張る。

対人関係が苦手で、過去には、仕事で壁にぶつかった経験もある、渡辺彩樹さん。でも、人一倍の頑張りやで、現在の職場では、周囲の温かいサポートもあって、接客もこなしています。

株式会社 ENEOS フロンティア。全国に直営店600、トクヤクテン600のサービスステーションを擁する ENEOS 株式会社、100パーセント出資の販売会社です。2001年から始まった障害者雇用は、重度を含め、現在73名で、雇用率2.58パーセント。今後も、増やしていく方針です。

社会福祉法人ヤマト自立センター、スワン工舎。就労に必要なスキルの習得はもちろん、就労先の開拓から、ジョブコーチによる就労後のサポートまで一貫したプログラムで、障害者の自立支援に取り組んでいます。

裏方の業務をきっちりこなし、電話やカウンターでの接客業務にも挑戦。

県道沿いのガソリンスタンドに、また1台、車が入ってきました。スタンド内の事務所でモニターに向かい、安全な給油ができるよう監視作業をしているのは、昨秋から勤める、渡辺彩樹さんです。同年代の仲間や、先輩たちとともに、週3、4日ほど、汗を流しています。

「セルフ式のスタンドでは、お客さま自身が給油されますが、給油までの作業が正しくおこなわれ、ノズルが給油口に挿されたのを確認してから、じつは、事務所内でロックを解除する作業をおこなっているんです」と、説明するのは、同店マネージャーの吉田さん。スタッフが確認し、都度、解除しなければならない、と消防法で規定されているそうです。

渡辺さんは、その重要な仕事を中心に、洗車や、カウンター受付業務等を担当しています。

「来店に波があり、落ち着いたり、バタバタしたり、それに合わせるのがちょっと大変ですけど、楽しくやっています」と、渡辺さん。先日は、スタッフの食事会にも参加して、これもとっても楽しかったんだそう。

当初は、接客になれておらず、電話応対も苦手な様子だったと振り返る吉田さんの信頼も、今は厚く、「私から18時までお願いしました」と、当初、9時から16時だった勤務時間も延長され、時には、残業もこなしています。

「給油のロック解除は自動化が許されず、人手が足りない、と訴えるお店の声はありますので、渡辺さんのようなかたはありがたい」と、本社人事グループの押田信明さん。できる仕事の幅をさらに広げてほしい、と期待を寄せます。社員に近い仕事ができれば、社内ルールに則って、社員登用への道もひらけると語ります。

「お客さまに、ありがとう、と言われたときが一番うれしい」と言う渡辺さんが、打ち明けてくれた、将来の夢は一人暮らし。

職場の方々にも恵まれて、スタンドは自信と希望を、渡辺さんに補給してくれる、かけがえのない場所になっていました。

すっかり気心の知れたスタッフのみなさんと、中央の渡辺彩樹さん。

監視モニターに注視して、安全が確認できたら、ロック解除のタッチバネルを操作します。

今では、空気圧の調整もお手のもの。

管理本部人事部人事グループ、右は押田信明氏、左はマネージャー吉田潔人氏。

渡辺 彩樹さん。埼玉県直営事業部、Dr. Drive セルフ西所沢店。2021年10月20日、入社。

得意はお菓子作り。中でもクッキーが一番好きだという渡辺さん。職場に持参するお弁当も、もちろん、お手製です。休日は、祖母の家で、犬のお世話をしたりして過ごしています。

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