裏方の業務をきっちりこなし、電話やカウンターでの接客業務にも挑戦。
県道沿いのガソリンスタンドに、また1台、車が入ってきました。スタンド内の事務所でモニターに向かい、安全な給油ができるよう監視作業をしているのは、昨秋から勤める、渡辺彩樹さんです。同年代の仲間や、先輩たちとともに、週3、4日ほど、汗を流しています。
「セルフ式のスタンドでは、お客さま自身が給油されますが、給油までの作業が正しくおこなわれ、ノズルが給油口に挿されたのを確認してから、じつは、事務所内でロックを解除する作業をおこなっているんです」と、説明するのは、同店マネージャーの吉田さん。スタッフが確認し、都度、解除しなければならない、と消防法で規定されているそうです。
渡辺さんは、その重要な仕事を中心に、洗車や、カウンター受付業務等を担当しています。
「来店に波があり、落ち着いたり、バタバタしたり、それに合わせるのがちょっと大変ですけど、楽しくやっています」と、渡辺さん。先日は、スタッフの食事会にも参加して、これもとっても楽しかったんだそう。
当初は、接客になれておらず、電話応対も苦手な様子だったと振り返る吉田さんの信頼も、今は厚く、「私から18時までお願いしました」と、当初、9時から16時だった勤務時間も延長され、時には、残業もこなしています。
「給油のロック解除は自動化が許されず、人手が足りない、と訴えるお店の声はありますので、渡辺さんのようなかたはありがたい」と、本社人事グループの押田信明さん。できる仕事の幅をさらに広げてほしい、と期待を寄せます。社員に近い仕事ができれば、社内ルールに則って、社員登用への道もひらけると語ります。
「お客さまに、ありがとう、と言われたときが一番うれしい」と言う渡辺さんが、打ち明けてくれた、将来の夢は一人暮らし。
職場の方々にも恵まれて、スタンドは自信と希望を、渡辺さんに補給してくれる、かけがえのない場所になっていました。