私たちは、20年以上にわたり、障害者雇用に取り組んできました。さまざまな障害者の就労現場を見学、情報交換し、身体障害者にはバリアフリー、知的障害者には構造化などのノウハウがたくさんある現場を体験しました。しかし、2006年に、精神障害者が雇用率算定の対象に追加され、その雇用が増加していく一方で、精神障害者が働きやすい現場を作るノウハウの不足が問題となっていました。
私たちはシステム開発をおこなっており、同じく、システム開発の現場で精神障がいを抱える方々と関わるようになりました。2010年からは、精神障がいの方々と一緒に働くようになりました。これらの経験や、先輩方の意見、支援機関からのアドバイスをもとに、メンタルヘルスケア、リワーク、精神障害者のための就労定着支援システム、エスピス を開発しました。このシステムは、精神障がいのある方々と一緒に働く現場の方々とのノウハウ共有を促進するものです。
私たちは、症状の変化や、気分のチェック、環境改善など、精神障害者でも就労しやすい現場を作るためには、周囲からのサポートが必要だと実感しました。これらの仕組みを、共感してくれる仲間と協力して活動することで、精神障害者が、社会で働く場が広がっていくことを体験してきました。
障がいがあっても社会参加できる。働きやすい環境を作り出す。そんな工夫のできる現場が広がれば、より生きやすく、働きやすい社会になるのではないかと考え、同じ志を持つ仲間と一緒に、常に考え、活動し続けています。
さらに、エスピス に加えて、精神障害者の定着と、活躍を支援する アタリマエ クラウド、リワーク専用システム、ウェルコ を、同じような社会づくりを目指す企業と共に開発し、障害があっても、社会で働くことができる環境づくりを広げたいと活動しています。
将来的には、これらのノウハウを活かし、職場において、精神障害が発症することを予防する取り組みにも注力していくことができれば、と考えています。