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ヤマトグループの障害者雇用。現場レポート、ボリューム1.

誰もが働きやすい職場を目指して.

前号の特集に引き続き、ヤマトグループで働く、障がいのある社員の職場を訪ねました。ご本人に加え、上司や同僚、推進者、相談員の方々にも伺った現場レポートを、シリーズでご紹介していきます。

現場ノート。できることが増えてくると、自信もやりがいも湧いてくる.

中部ゲートウェイベースは、伊勢湾岸道の豊田南IC近く、鉄骨造、6階建の巨大な物流ターミナルです。昨年4月から、パート社員として働く、芝辻さんは、19歳。お届け先が不明の荷物をシステム登録する業務など、オペレーション全般に関わる事務を担当しています。

肺動脈の血圧がとくに高くなる指定難病を、小学1年生で発症した芝辻さん。以前は、車いすを利用していたそうですが、現在は、歩けるまで治療の成果が出ています。

推進者として見守る牧嵜香織さんは、「1年経って、職場にも慣れ、積極性が出てきた。電話対応なども自ら申し出て、業務を増やした」と、向上心に感心するとともに、障害者雇用を一層推進していきたい考えです。ただし、障害者ひとりひとりについて目をかけてくれる同僚社員をいかに増やしていくか、広くてベルトコンベア等のマテハン機器もあるベースの中で、いかに安全を確保し、障害者と同僚社員が働きやすい環境を整えるか、が採用の課題になっていると語ります。

自分は、立ち仕事や、激しい運動ができず、パソコンなどのデスクワークを探していました。誤着荷物の所在や、この先の動きに関する社内からの問い合わせに、電話応対する業務にも、今年から関わっているのですが、口頭で説明するのが苦手で、勉強中です。早く、基本業務が一人でできるようになり、周囲をサポートしていきたいです。

現場ノート。繁忙期をやりきったときが、一番達成感があります.

5月から、勤務を1時間伸ばした内川さん。その分、いろいろな仕事に挑戦してもらおうと、伊藤勝也所長は期待を寄せています。

ベッドタウンながら通販業者様も多く、発送個数が伸びている営業所で、店舗サイズも一般的な営業所の3倍ほど。内川さんは、その広い構内を隅々まで清掃するほか、仕分け作業や、揚げ荷作業などで、力を発揮しています。

推進者で相談員でもある田巻芳恵さんによると、内川さんは、そもそも物流に興味があり、フォークリフト免許も取得していた努力家。養護学校から実習に訪れ、トントン拍子で採用に。昨秋から、パート社員になりました。周囲とも、しっかり意思疎通が取れ、ドライバーからも、ウッチー、と呼ばれるほど信頼関係を築いています。ボックス整理や、表示札の準備など、段取りを考えて、先回りした仕事もできます。ただし、何事にも頑張りすぎてしまうのが玉にキズ。そこだけは、所長も注意しています。

キントレが趣味で、毎日1時間ほど、例えば、スクワットなら4000回とか、しています。僕は、自分に負荷をかける仕事が好きなんです、達成感があって。ひとつひとつの仕事を大事にしていきたいと思っています。マラソン大会に出ることも、夢のひとつです。

用語説明.

推進者.
障害者雇用推進者。支援学校などとも関係を築いて、障害者の雇用を推進していく、各主管支店に、2名いる社員。
相談員.
ジェイ イー イー ディー 認定講習を受け、障害者職業生活相談員として選任されている社員が全国に、74名。現場での支援と、相談の窓口を担う。
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