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リレーコラム,夢をつないで,第28回.

エヌピーオー法人,アクションポート横浜,代表理事,たかじょう芳之.

若者の想いを引き出し、地域の現場へとつなぐ.

1982年生まれ。大学時代から、若者と地域をつなぐ場づくりをテーマに、活動をはじめ、 新卒でエヌピーオーの世界に飛び込む。2010年から、アクションポート横浜事務局長、2018年より現職。2代目の代表理事。大学生のボランティアマネージメントをはじめ、企業のシーエスアール相談事業、プロボノ支援事業などを担当。複数のエヌピーオーの理事や、大学の非常勤講師なども兼務。

学生時代、大学祭のご縁から、中学校の個別支援学級でのボランティアを始めた僕は、地域に学生が少ないという声を聞いて、両者をつなぐ交流会を始めました。

交流会では学生と団体の双方に協働のニーズはありましたが、活動文化や、意識のギャップにより大苦戦。出会いや、つながりを作るには専門的なコーディネートが必要だ、と、強く感じ、新卒でエヌピーオーの世界に飛び込んだのです。

様々な統計によると、学生の社会参画ニーズは増加する一方で、きっかけが少なく、活動したいができていない潜在的関心層は、学生の4から5割と言われています。

この状況を課題視した当法人は、2008年から、学生が地域に関わる場づくりを主導してきました。

そのひとつが、2021年度から、ヤマト福祉財団の支援により始まった、ヤマト 繋がるプロジェクト。全国のヤマト運輸社員と学生が一緒に、福祉施設の声をもとに、企画を考え、障害のある子どもとともに、笑顔を作るボランティア活動です。これまで、工作や、アート、ボッチャなどの企画を実現してきました。

関わる若者の多くは、これまで福祉に縁のなかった学生や、若手社員。面白そう、友達に誘われた、という動機で参加した若者が、施設への訪問や、子どもとの会話を通じて、福祉への関心を持つようになってきます。

企画後も福祉活動を継続したり、施設への就職も考えたりする学生も増え、施設にとっても、視野を広げる機会となりました。

若者が主体的に関わる場を地域に作り、関係性を育むこと。協働の場のコーディネートにより、福祉の扉を開くきっかけを作れたことは、プロジェクトの成果と言えるでしょう。

これからの地域、福祉の世界では、ますます担い手が重要になります。担い手不足の課題はよく耳にしますが、持続可能な地域を育てるためには、その枠組みに若い世代を当てはめ、消費させるのではなく、彼らの主体性を引き出して、地域ニーズとつなげるためのコーディネーションが必要ではないでしょうか。

これからも、若い世代を中心に、多くの人を、地域、福祉の世界へ、そして未来へとつないでいきたいと思います。

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