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リレーコラム,夢をつないで,第29回.

一般財団法人、全日本ろうあ連盟、常任理事、事務局長、デフリンピック運営委員会委員長、久松 みつじ.

ろうの子どもたちに夢を。東京2025、デフリンピック.

1954年生まれ。秋田県秋田市出身。大学卒業後、電機メーカーに就職、おもに知的財産業務に従事。2006年に全日本ろうあ連盟に転職、2009年、常任理事、事務局長に就任。日本障害フォーラムと共に障害者に関わる法整備、障害者人権擁護等の活動をおこなう。2023年4月からデフリンピック運営委員会、委員長を兼務。

デフリンピックをご存じでしょうか?

国際オリンピック委員会、アイオーシーが認めている、障害者の国際スポーツ大会は、みっつあります。ひとつは、皆さんがよくご存じのパラリンピックです。ふたつめは、知的障害のあるかたを対象としたスペシャル オリンピックスです。みっつめは、ろう者を対象としたデフリンピックです。

デフリンピックは、1924年にパリで開催され、百年近い歴史があります。しかし、国内ではデフリンピックが開催されたことがないためか、国内での知名度が約16パーセントと低いです。

2021年に開催された東京オリンピック、パラリンピック、以下、東京オリパラでは、ユニバーサルデザインや、バリアフリーの理念が広く知れ渡りました。東京オリパラのこのレガシー、遺産を継承し、発展するために、2025年に開催される東京デフリンピックは、情報アクセシビリティーや、コミュニケーション バリアフリーの促進を掲げ、共生社会の構築を目的にしました。

デフリンピックは21の競技種目があります。国内での開催は経験がないため、東京都や、国内のスポーツ団体、エヌエフと協働して、開催準備を進めます。他のスポーツ大会の陸上や水泳では、ピストルを使います。デフ競技では、ピストルの代わりにランプを用意します。自転車競技やサッカー等の団体競技では、笛の代わりに旗を用います。耳、聴力の代わりに、目、視力を使って、スポーツ競技に参加する形をとることが大きな特徴です。空手やテコンドーのような格闘技では、会場全体を、音声の代わりに、大きな光で知らせる方法もあります。

国際スポーツ大会は多くの費用がかかる、というイメージがありますが、私たちは、できるだけ市民の皆さんと協働しながら、手作りの大会をめざします。東京オリパラでは、コロナ禍により、市民の観戦が叶いませんでした。私たちは、市民が気軽に参加できることを求めており、特に、多くの子どもたちに参加してもらいたいと願っています。デフ選手たちの活躍や、デフスポーツの楽しさを知ってもらい、多くの、ろうの子どもたちに夢を与え、共生社会の構築に寄与したいと思います。

応援をよろしくお願いします。

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