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農福連携実践塾、第3回たまねぎ栽培塾、2023年11月17と18日.

塾で栽培を学ぶのは、何かと言ったら、工賃を上げるため.

たまねぎ栽培塾の最終回の研修は、第2回研修時に種蒔をした苗の定植です。技術だけでなく、農福連携実践塾の学びの目的を、改めて確認する研修となりました。

第3回たまねぎ栽培塾。塾長、社会福祉法人、ゆずりは会、菜の花、管理者、こぶち久徳さん.

細かい作業のこだわりが工賃につながる.

9月に開催した、第2回たまねぎ栽培塾で種蒔おこなった苗が発芽し、30センチメートルくらいの高さに育ちました。最後のテーマは定植です。

苗畑からホークを使って掘り出し、定植用の畑へ。ピンと張ったマルチを、菜の花の利用者さんが、定植用穴け機、ロケットを使って開けていきます。小さい手持ちのコンテナに、水に湿らせた苗をいれ、圃場に1本ずつ手植えで定植。植えたあとには、マルチの穴をふさぐように、土をかけていきました。土をかけるのは、苗を土に活着させるためです。

マルチに小さい穴を開ける、根を湿らせる、定植のあと覆土するのは、作業のこだわりです。「やらなければならないことに、こだわりを持って実践しないと、工賃につながらない」と、塾長のこぶちさんが話します。

工賃をいくらにするかに応じた売上目標、栽培計画を.

たまねぎ栽培塾、締めくくりの成果発表では、「発芽が遅いので、あとから冠水した」、「苗が黄色くなったのは、水はけが悪いせいか?」、「日陰で温度が低くなっているところは、苗の育ちが良くなかった」など、塾生は、成果と共に、課題を報告。苗作りに初めて取り組んだ事業所もあり、それぞれの地域の気温変化や、土の質の違いなどで、苗作りがうまくいかない事業所も多くありました。

講師の、ぶどう栽培塾塾長、林さんは、「温暖化も冷え込みも激しく、昔から言われてきたことが通用しなくなっている。農業は、気象条件なども含めて、転換期とも言える。失敗してもかまわないので、新しいことを考えて、やっていく必要がある」。

「温度の記録、気候の変動など、自分の農業を記録することが大事。記録をつけることで、いろいろものが見えてきて、成長に繋がる」と、農福連携塾統括塾長の熊田さん。

たまねぎ栽培塾のこぶち塾長は、「1反いくら取らなくてはならないから、何反植える。1玉いくらで売る、という覚悟でやらない限りは、いつまで経っても、ここが失敗だったからうまくいかなかった、という言い訳になっていくと思う。言い訳すればするだけ、利用者さんの工賃にならない」と、塾生に語ります。

道具の意味を知り、あるもので済ませるのでなく、計画的に進む中で、経費をかけてでも、道具や機械を導入できる売上を目指していかなければなりません。

「塾で栽培を学ぶのは何のためと言ったら、工賃を上げるため。この経験を活かして、ぜひ利用者さんのためになる農業を実践していただきたい」。

最後に、「みなさんと繋がれたのは大きな財産。利用者のためになると気づくと、自分たちも楽しくなる。そんな事業所になってほしい」と、塾生へのメッセージで、たまねぎ栽培塾を終了しました。

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