このページと、以下のページは音声読み上げブラウザに最適化済みです。

スワン工舎、卒業生訪問、40。クラウン精密工業株式会社さま。

小さな部品と向きあう日々、優しさや責任感が表情に漂うように。

大学では電気工学を学び、真面目で、几帳面なタイプのでじまさん。人命にも関わる、ネジの検品で、社内から全幅の信頼を置かれる仕事ぶりで活躍しています。

クラウン精密工業株式会社
1960年に設立、開発から製造までをおこなう、締結部品、ネジの総合メーカーです。タッピンネジを中心に、国内外で多くの特許を取得。電気、事務機メーカーのほか、ボッシュや、富士部品工業といった、自動車関連企業に製品を納めています。
社会福祉法人、ヤマト自立センター、スワン工舎。
就労に必要なスキルの習得はもちろん、就労先の開拓から、ジョブ コーチによる就労後のサポートまで、一貫したプログラムで、障害者の自立支援に取り組んでいます。
でじま 一之さん。クラウン精密工業株式会社。2022年1月10日、入社。
好きな巨人軍や、藤井そうた七冠の成績をピーシーで管理。データから過去を振り返るのが楽しいのだそう。話題の本には必ず目を通す、読書家でもあります。多趣味のせいで寝不足、朝が弱いのが悩みの種です。

凝り性な性格ともベストマッチ。責任ある仕事に毎日励む。

「今の仕事は自分に合っています。一個ずつ検査して、数をこなすみたいな感じは」と、笑う、でじま一之さん。クラウン精密工業に入社して2年半。昨年12月からは、勤務時間を延長し、週5日、フルタイムで働いています。

でじまさんが従事するのは、選別と呼ばれる検品作業。検査用のジグに、ひとつずつ、はめて、回すことで確認。不良品を弾きます。

「このネジは、自動車のブレーキ ブースターに使われる重要部品。生命に関わる部品なので、機械による画像選別とは別に、人手による全数選別をおこなっています」と、総務部、部長のはぎりひろゆきさんが解説してくれました。

ブレーキ ブースターは倍力装置とも呼ばれ、ドライバーがペダルを踏みこんだ力を、何倍にも増幅するのが役目。倍力装置には気密性が求められ、内部は真空に近い状態になるので、ネジの精度も格段です。でじまさんは、今や、この検査室の主力のひとりです。

はぎりさんは、でじまさんのコミュニケーション能力が、採用の決め手だったと語ります。

「8から10畳ぐらいの検査室で、選別作業を日常的におこなうわけですから、周囲と折り合いがつかないと難しい。もちろん真面目さもですが。でじまさんは明るくて気さく。研修期間でも、みんなの評判が良かったんです」。

正確性に加え、スピードも成長しました。じつは、どのくらいの数をこなしているか、でじまさんは個人的にデータを記録し、コンピューターで統計を取っているのだそう。

いちから仕事を教わった柳さんからは、ノルマはないんだから、自分を苦しめるだけだと言われるんですけど、気になるので」(笑い)。

できること、仕事の手を広げることにやりがいを感じる、というでじまさん。

「僕は電気工学科だったんですけど、最初のバイトは空調関係で機械。その後もみんな機械で。思い返してみれば、父親の仕事も機械関係。だから父のとおった道なんですけど」。

水が合う場所を見つけ、でじまさんは機械を学び直したい、と近ごろ考えています。

職場のみなさんと。前列中央が、でじま一之さん。

「朝は弱いんですが」と、でじまさん。主治医にもお墨付きをもらって、フルタイムに。

左手に持ったジグの頭部に差しこまれた、ブレーキ ブースター用のネジ。これで不良品を見つけます。

「うちは残業がほぼないので、みな、定時で上がるけど、でじまさんは時間を忘れて仕事をするタイプ。こふうな」と、はぎり部長。

公益財団法人 ヤマト福祉財団 トップページへ戻ります。
ヤマト福祉財団ニュースの目次へ戻ります。