凝り性な性格ともベストマッチ。責任ある仕事に毎日励む。
「今の仕事は自分に合っています。一個ずつ検査して、数をこなすみたいな感じは」と、笑う、でじま一之さん。クラウン精密工業に入社して2年半。昨年12月からは、勤務時間を延長し、週5日、フルタイムで働いています。
でじまさんが従事するのは、選別と呼ばれる検品作業。検査用のジグに、ひとつずつ、はめて、回すことで確認。不良品を弾きます。
「このネジは、自動車のブレーキ ブースターに使われる重要部品。生命に関わる部品なので、機械による画像選別とは別に、人手による全数選別をおこなっています」と、総務部、部長のはぎりひろゆきさんが解説してくれました。
ブレーキ ブースターは倍力装置とも呼ばれ、ドライバーがペダルを踏みこんだ力を、何倍にも増幅するのが役目。倍力装置には気密性が求められ、内部は真空に近い状態になるので、ネジの精度も格段です。でじまさんは、今や、この検査室の主力のひとりです。
はぎりさんは、でじまさんのコミュニケーション能力が、採用の決め手だったと語ります。
「8から10畳ぐらいの検査室で、選別作業を日常的におこなうわけですから、周囲と折り合いがつかないと難しい。もちろん真面目さもですが。でじまさんは明るくて気さく。研修期間でも、みんなの評判が良かったんです」。
正確性に加え、スピードも成長しました。じつは、どのくらいの数をこなしているか、でじまさんは個人的にデータを記録し、コンピューターで統計を取っているのだそう。
「いちから仕事を教わった柳さんからは、ノルマはないんだから、自分を苦しめるだけだと言われるんですけど、気になるので」(笑い)。
できること、仕事の手を広げることにやりがいを感じる、というでじまさん。
「僕は電気工学科だったんですけど、最初のバイトは空調関係で機械。その後もみんな機械で。思い返してみれば、父親の仕事も機械関係。だから父のとおった道なんですけど」。
水が合う場所を見つけ、でじまさんは機械を学び直したい、と近ごろ考えています。