打ち解けられた職場は大切な場所。これからも頑張っていきたい。
取材当日は安全講習が催されており、ふだんより少しにぎやかな支店内。そんな中でも落ち着いて机に向かうのは小野寺瑠衣さん。キーボードの上で踊る指先は流れるように軽やかです。
「彼女の入力は正確でミスがないですね」と評価する、長谷川聡支店長。小野寺さんの仕事に対する前向きさも、同支店での初の障害者雇用を強く後押ししました。
小野寺さんが主に担当しているのは、平均して毎日100人分のファクスで送られてくる、派遣社員のタイムシート、勤怠情報を管理ソフトに入力する作業。ですが、社会人経験はなく、ちょっぴり人見知り。ピーシー操作についてしっかりと学んだことはないのだそう。
スワン工舎で、「パンの前に置くプライスカードを作ってみて」と、きっかけを語る小野寺さん。以来、メキメキ上達しました。
彼女の働きぶりをそばで見守っていたふたりがいます。現在、一緒に仕事をしている西海詩織さん曰く、「小野寺さんはちょっとアドバイスすると、すぐにできる。逆に質問をしてくれることもあって気づきが感じられます。すごく信頼しています」。
入社したての頃を振り返る根岸美由起さんは、「業務を覚えて、ミスなくこなすことが、成長の一歩目でした。当時は、机にいっぱい付箋を貼って」と、目を細めます。
仕事ができるので、つい頼みすぎてしまい、最初の冬にはパンクしてしまったこともありましたが、お互い本音で話し合って解決。二人三脚で来たふたりでしたが、昨年6月、根岸さんに別支店へ異動の辞令が。「寂しいといった内容のラインをもらい、私だって寂しい」と、根岸さん。
はたで見ていた西海さんの目にも、「テンションが低くなっている感じはしましたけど、責任感も強い彼女は、自分の中できちんと整理をつけたようで。強いなと感じています」。
「最近は、仕事を振ってくれるのが嬉しい」と、日々、はつらつと励む小野寺さん。ぜひ正社員を目指してほしい、と支店長も応援しています。