季刊コトノネは2012年1月に、障害者の生きること、働くことをテーマに生まれました。一番の狙いは、障害者がつくった商品を目にとめて、買ってもらうことでした。そのために、健常者の顧客を呼び込みたい。目に止まるように、写真には神経を使いました。では、消費者は障害者のつくった商品に関心があるのか、を、知りたくて資料を漁ったが、どこにもない。仕方がないので、コトノネで調査をしました。
コトノネ出版から半年後、「障害者を愛する人よ、どこにいる」として調査結果を報告書にしました。とても面白い結果がでました。「障害者の商品を買いたい人」は10.6パーセント。そのうち、「買ってみてよければ、友達にあげたい人」が36.0パーセント。さらに、その目的に驚きました。「障害者がつくっていることを知ってほしかった」が31.9パーセント。障害者への関心を押し付けるのではなく、それとなく伝えたかったのです。
10パーセントの人は、誰が何といおうと、障害者を支える。逆に、「買いたくない人」は13.0パーセント。では、そのあいだの80パーセント弱の人はどんな人でしょうか。こどもの虐めについての研究書、『日本の「安心」はなぜ、消えたのか』(著、山岸俊男。発行2008年)によると、「絶対虐めない人」10パーセント、何が何でも「虐める人」10パーセント。コトノネと似た数字でした。虐めない10パーセントは信念の人とすれば、あの、あとの11パーセント以降はどんな人でしょうか。
いきなり、障害者のことから問いかけない。多くの人が関心のあるテーマから入って、障害者につなげていく。「障害者を押し付けない」アプローチです。もうすぐ、リメイク コモンをテーマにした活動を立ち上げます。モノだけでなく、生き方も含めて、つくり直し、育て直す、リメイク。当然、障害者もその中にいます。
最後に。突然ですが、季刊コトノネは、今年11月20日の56号をもって休刊します。主力を雑誌から、リメイク コモン 活動に移します。厚かましくも、いままで以上のご支援をお願いします。