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私たちの賛助会費が活かされています障害者給料増額支援,助成金。助成先レポート,ボリューム53。

戦略的リニューアルで守る、"作りたい"が力に変わる場所。

鹿児島いちの官庁街に、経験ゼロながら、自己資金と融資を元手に立ち上げた総菜店、キッチンみらいず。5年前に、助成金を活用して、弁当店への業態転換を図りました。それは、コロナ禍を乗り越え、次なるステージを目指す挑戦でした。

エヌピーオー法人、ともいき、キッチンみらいず/就労支援センターみらいず。

2021年度、障害者給料増額支援、助成金。時代に即応し、売上工賃アップし続ける夢に向かったリニューアル。500万円。使途は弁当製造数増量のための改装工事、および機材購入資金。

退職から1年じゃくで待望の出店。

羽が生えているかのように、棚に並べた、温かいお弁当が、端から消えていきます。電停、市役所前を降りてすぐ、キッチンみらいずのランチタイムはいつも盛況です。

並びの市役所のほか、裁判所や、教育センター、県立図書館などがひしめく官庁街に店を構えたのは、2015年のこと。現在は、お弁当の製造販売に軸足を移しましたが、理事長の山下俊介さんが、2人の利用者と、量り売りの総菜店をオープンさせたのが始まりです。

「11年間、特別支援教育をしてきたのですが、就職でつまずく卒業生を多く見てきました。教員をしながら、福祉事業所を紹介してきたんですけど、なかなかつながらない。じゃあ、もう、自分で立ち上げるか、と」。

先生のいるところだったら行きます、と言う教え子の言葉に決断し、山下さんは退職。就労支援を目的とするエヌピーオー法人の立ち上げと、職場づくりに奔走します。飲食業にすると決めたのはふたりのうちのひとりが、「もしやるなら、飲食の仕事をしたい、と言ったので、飲食に絞ってみました」(笑い)。

経営は、市主催の創業支援セミナーなどに学び、飲食業については、山下さんが学生時代にアルバイトでお世話になった飲食店オーナーに相談してまわりました。

初日の売上こそ1万円に届きませんでしたが、周辺の競合店とかぶらないように、と選んだ量り売りスタイルは、ヘルシーさと、選べる楽しさが喜ばれ、売上も次第に安定。調理に励む利用者も20名近くにまで増えました。

ピンチで露呈した生産力の限界。

キッチンみらいずは、2021年の夏、当財団の助成を活用して、店舗の全面改装に踏み切りました。開店から4年を数えるころから鮮明となりつつあった、とある問題の解決のためです。

「ビュッフェ形式は、お客様の滞在時間が思ったより長く、お客様が外まで並び始めたんです。あきらめて帰られる姿もあって、取りこぼしも勿体ないし、お弁当という形も考えなくちゃいけないかな、と」。

チラシで知った楠元塾に飛び込み、弁当事業のノウハウを学び始めました。そんなおりです鹿児島にもコロナ患者が現れたのは。

量り売りはすぐさま中止し、急遽、弁当販売に本腰を入れてシフト。すると調理場の狭さ、動線の悪さなど、従来の店舗設計がネックとなり、製造個数の限界が見えてきたのです。

作業効率やエイチエーシーシーピーの考えを採り入れて、衛生環境管理の視点を改装では徹底し、レイアウトから変更。出入口も、お客様用と、スタッフ用とを分けて、お客様とスタッフの動線を別にしました。また、桜島噴煙の降灰対策に軒先テントを設置。コロナ対策のひとつとして、店舗外に向けてショーケースを設け、入店しなくても購入できるようにしました。厨房は、調理台をステンレス製に一新し、包丁まな板殺菌庫や、食洗機、自動水栓を導入しました。

結果として、お客様の認知度もぐっと上がり、利用者のモチベーションも向上したそう。市役所での出張販売のほか、注文配達にも力を入れています。

会議会合向けの特別なお弁当や、オードブルは、利益率も、日替わり弁当より高く、給料の平均月額(定員)も改装前年と比べ、2025年度は1万円近くアップし、約3万3,000円となる見通しです。

当たり前の生活を支えたい。

売上を、「上げようと思えば、伸びしろはまだあると思います」と語る山下さんですが、一方で、利用者のやりがいと、充実感とのバランスの取り方が難しいとも考えています。

「見学に来られたかたはびっくりするんです。職員の指示なしで、利用者さんが勝手に考えて、勝手に作業するので(笑い)。開店当初はイメージもしていなかったので、その自主性はうれしい誤算でした。日替わり弁当や総菜の献立も、利用者さんが考えています。職員はちょっと助言する程度です」。その代わり、原価率より、作りたいメニューが優勢になりがちなのは玉にきず。調理は作業毎の分業制ではなく、仕込み調理盛りつけまで、担当者が一貫しておこなうスタイルです。効率よりも、「一人で自宅でも作れるようになってほしい」と考えたからです。

飲食がいい、と言った利用者のかたはその後、職員として採用しました。採用基準の課題を2年近くかけて、すべてクリアしたそうです。

「彼は、利用者の憧れのマトになりました。すると、自分もああなりたい、って真似をする人も出てくる。利用者同士の刺激は大きいです。障害の等級はあまり関係がない。無理だと思われていた人が、めちゃめちゃ仕事していたりとかありますので」と目を細めます。「利用者さんが、地域の中で、生きててよかった。充実している、と思える生活を送ってほしい」というのが山下さんの願い。

利用者の給料アップと働きがいこのふたつを満たす解を模索するキッチンみらいず。彼らが一筆ずつ描いていく将来像に期待です。

キッチン奥に新設された、盛り付けスペース。効率が格段に向上。

キッチンの調理台は、すべてステンレス製に。床も張り替え、自動水栓、包丁まな板殺菌庫、業務用食洗器などを整備。衛生面の向上も図った。

助成を活用して、店舗外観も全面改装。お客様とスタッフの出入口(右のドア)を分け、路面販売も可能なショーケースを設置。ウッディーな外壁に差し色が映えた、入店しやすい店舗となった。

日替わり弁当、580円。この日のしゅさいは、ささみチーズフライ。

注文先へ配達します。

改装した店内。毎日、56種類のお弁当と、お総菜が並ぶ。温かいご飯をその場で盛り付けて販売。

理事長の山下俊介さん。

週に4日、市役所前広場での出張販売もすっかり人気が定着。

労働組合支部執行委員長、助成先訪問シリーズ48。

ヤマト運輸労働組合、鹿児島支部、執行委員。宮田 真紀子さん。

カンパに込めた思いは実を結ぶ。

みなさん、いきいきテキパキ、すごくしっかりとお仕事に励まれている姿が印象的でした。

山下さんが、「(利用者さんには)自分のやりたい仕事をやってもらう」とお話しされていて、指示ありきの仕事ではなく、自主性を大事になさっているのが印象に残りました。

夏のカンパの使い途については、委員長を通じて伺ったり、財団ニュースで目にしていたのですが、「助成金でこの設備を整えました」と、直接、説明を受けたときには、役立っていることが本当に実感できました。うれしかったですね。

鹿児島では、こうした施設で、衛生管理の機材を整備したり、活用されていると、もっと広めていきたいと思います。見学できて、今日は、本当に良かったです。

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