社会で学び、成長する。
「当社は三井不動産ファシリティーズの特例子会社です。仕事の内容はビルの清掃を中心に、親会社のスタッフと一緒に、同じ仕事をしています」と取締役業務部長の酒井賢二さん。
伺ったのは、今年4月にスワン工舎羽田から就職した、藤田純也さんが働く、日本橋の三井ビルです。南北それぞれのタワーの、5階から28階までのテナントフロア、本館を分担して、共有部分の廊下、階段、エレベータホール等、縦横無尽に清掃していきます。
「8時から16時30分まで、かなりタフな作業です。毎朝、仕事内容を、1は、南棟15階のエレベータホールのバキュームを何時から何時まで。2は。と具体的に伝えます。本人にも復唱してもらい、その後、各担当の現場で、仕事が始まります。藤田さんも頑張っていますよ」と、業務部指導員の谷元瑞香さん。
藤田さんの採用の決め手は、「このチームのムードメーカーになるに違いない」と、面接の時に指導員の3人が思ったこと。メンバーだけでなく、親会社のスタッフからも気軽に声をかけられる、人気者です。
じつは、谷元さんをはじめ指導員のみなさんは、障害のある人たちに関わる仕事をしていた経験者。特例子会社の2006年の立ち上げから約12年、ご苦労もあったとのことですが、なにより、藤田さんたちの成長がうれしいと話されます。「先日のことですが、トイレがあふれている、と、お客さまから連絡を受けたメンバーが、現場を確認し、タオルを広げて、お客さまがすべらないように対応し、『あとの処理をお願いしても良いですか』と電話をかけてくる。きちんと、お客さまの対応ができて、今までできなかったことが突然できるようになるんです。本当に誇らしい瞬間です」。
酒井業務部長の、「彼等は、社会に出て学ぶんです。学び、成長する」という言葉のとおり、日々学び、責任を持って、仕事に取り組む藤田さんが、一段と頼もしく見えました。
「会社の雰囲気を作っているのは、間違いなくメンバー達、これが我が社の売りです」と業務部長の酒井賢二さんと、指導員の谷元瑞香さん。