山間の地域でアイキャンプを実施。
ネパールの子どもたちに希望の光を届ける、ネパール小児白内障治療プロジェクトがスタート。2018年12月9日と10日の2日間にわたり、ダーディン郡の2つの学校でアイキャンプを実施しました。
ヒカリカナタ基金と、財団のメンバーは、首都のカトマンズから 4WD の車に分乗し、ダーディン郡へ。国道から、舗装されていない、土埃の立つデコボコ道や、道なき道を約2時間かけて、1日目のチャトラデウラリのククレチョール村に到着しました。村 唯一の診療所では、前日から現地医療チーム、 PSSN が準備を進めています。我々が到着するとすぐに、シュリー ダサラット チャンドラ セカンダリースクールの生徒があつまってきました。
早速、近視、遠視、乱視などを見る視力検査、斜視を診断する眼球運動や、眼位などの検査、色覚検査ののち、角膜や水晶体など、それぞれ、ひとりずつ診察していきます。
視力が弱い子には、検眼をし、後日、カトマンズでメガネを渡せるような処方箋を作りました。目薬を処方される子ども、斜視や弱視を診断され、矯正トレーニングをおこなう子ども、矯正手術が必要な子どもも見つかりました。
翌日は、1日目より もう少し山奥のジーバンプールへ。どろんこの急坂を登ったところに、シュリー マヘッシュ ダルマ セカンダリースクールがあります。朝8時過ぎから、近所の子どもや、生徒があつまってきました。
ヒカリカナタ基金と財団、現地の医療スタッフは、ヤマトグループの法被を着て参加。前日と同じ要領で、診察が進みました。
この2日間で、診察を受けた子どもたちは全部で425人。そのうちメガネが必要な子どもを24人、手術が必要な子ども4人を見つけることができました。手術が必要な子どもは、カトマンズ医科大学病院で後日、手術をすることになります。いずれも無料で実施します。
1000人の眼を治したい。
アイキャンプを終えて、 PSSN のリーダーであるドクター サビナは、話します。「私は目の見えない子どもが、自分で生活することができて、お金を稼ぎ、人生を広げられる、そのためのリハビリセンターを作りたい。それが私の使命だと思っています」。
第17回ヤマト福祉財団 小倉昌男賞 受賞者で、このプロジェクトをはじめたヒカリカナタ基金の竹内理事長は、「みなさんの協力があって、ようやくネパールの子どもたちに会うことができました。裸足で走り回ってケンカもせず、検査の順番を待っている子どもたちは、私の子どもの頃を思い出させてくれます。私は1000人の眼を治したい。ヒカリカナタ基金は、ヤマト福祉財団と力をあわせて、大勢のかたの目の改善に努力していきたいと思います。この活動が日本に伝わり、ネパールに伝わって、目の悪い人が見つけやすくなることを願っています」と、思いを話してくれました。
アイキャンプの他に、ネパール盲人卓球協会の見学、視覚障害者教育施設の訪問、カトマンズ医科大学での竹内理事長の講演、日本人会商工部会での瀬戸理事長の講演などをおこない、ネパール小児白内障治療プロジェクトのスケジュールを終了しました。
脚注: PSSN = プロフェッショナル サポート サービス ネパール。