わ は わ 広瀬 があるのは、仙台市青葉区。担当するエリアは、新しく開発中の新興住宅地と、古くからの町並みが続く地域です。両方を合わせると、かなり広域となるため、車2台で配達。職員が運転し、それぞれにメイトさん2名が同乗します。月曜から土曜日まで稼働し、多い日には1日700から800冊も配達しています。
ていねいにすばやく、地図落とし。
朝、センターで DM 便を受け取った職員が わ は わ 広瀬 に戻るのは、午前8時40分頃。いくつもの箱に はいった DM 便は、かなりの重さとなるため、昇降機に積まれて、1階から2階へと運ばれます。そして、9時に仕分けがスタート。机の上に置かれた、町名と住所が書かれたプレートの前に、次々と DM 便を分類していきます。分類が終わると、すばやく地図にマーカーで配達先をマーク。この作業を わ は わ 広瀬 では、地図落とし と呼んでいます。
「ルート、お願いします」。地図落とし の終わったメイトさんが元気に手をあげます。すると職員が、効率よく配達できるように考えながら、配達ルートを地図上に線で書き入れます。ルートの配達順にメイトさんが DM 便を並べ替えて、仕分けは10時前に終了。すべてがすみやかに進みました。
DM 便配達は人気の仕事。14名が待機中。
毎日配達する中心メンバーのメイトさんが、体調や都合などによりお休みすると、希望者が代わりに はいることができます。希望者リストに名を連ねているのは、なんと14名。ローテーションでメイトさんの仕事を担当します。ヤマト運輸のユニフォームを着て、外に出て活動できる DM 便配達は、利用者さんにとって人気の仕事なのです。
複数の目と耳で確認するから、間違えない。
職員の片岡聖子主任は、毎日気をつけていることについて、「必ず車の中で、次の配達先を声に出して読み上げます。今日も、同じ町名で同じ名字、最後の番地だけが違う配達先を、地図落としの段階で、間違えてマークしていました。車の中で気づいてドキッとしましたが、複数の目で見て、耳でも聞いて確かめると、間違いに気づきます」と話します。
11時少し前に、配達エリアの中間あたりで、2台の車が集合。それぞれの進捗状況を報告し、予定よりも進んでいないエリアの配達があると、もう1台が助けるなどの調整をします。
地図を作りながら配達する、新しい町。
わ は わ 広瀬 が担当する新興住宅地は、石と緑の町と呼ばれるほど、美しい景観が続く新しい町。子育てしやすい町、というキャッチフレーズもつけられています。新しい家が次々と建てられ、学校や保育園、病院もできました。既存の地図には載っていない家が多いので、新しい家の名前を書き込み、地図を作りながら配達しています。
片岡主任は、「あまりの広さと、家の造りが似ているので、どこを走っているのか、時々、わからなくなります。自分で地図を描いて頭に入れ、気になる建物を目印にするなどして覚えました」と話します。
ほとんどの家の玄関前に石の階段があることも、町の特徴です。ポストが門柱にある家もありますが、階段を上った先の玄関のポストに配達する家も少なくありません。12月から3月まで、降雪量が多く、凍結することの多い仙台では、この階段が危険なスポットになります。メイトさんの本部正直さんは、「滑るから階段は危ない。冬は気をつけて上り下りしています」と話します。
仕事をとおして、少しずつ変わっていく。
わ は わ 広瀬 の管理者、安田たかねさんは、メイトさんたちの変化について、「 DM 便の仕事をしていると、室内のルーティンの作業では気づかなかったことを発見します。たとえば、俊敏に動けるとか、体力があるとか。また、配達先に着く前にスキャナーを準備するなど、それまでしていなかったことができていることに気づくこともあります。ほんの小さな変化ですが、見つけるととてもうれしくなります」と話しました。
高い品質を維持する、頼りになる存在。
ヤマト運輸仙台愛子支店、佐藤雅希店長は、「ほぼ誤配がなく、安心してお任せできます。メイト連絡会などで交流し、朝の引き取りの時も言葉を交わすなど、風通し良く進めていきたい。どんどん広がるエリアは DM 便も増える。頼りにしています」と今後にも期待を込めます。
ヤマト運輸宮城主管支店、サービスセンター、菅原光悦センター長は、「ひとりで配達していると、思い込みもあって、間違いが生じることがあります。必ず複数の人の目で確認するなど、職員さんたちの誤配を生まないための、日々の取り組みは素晴らしい。それが高い品質に繋がっています」と語りました。
わ は わ の意味は、輪は和。人と人の輪、人と自然の和を大切にするという想いを込めています。
地域の中で少しずつ変化していくメイトさんたち。「おはようございます。 DM 便です」と、町に今日も元気な明るい声が響いています。