人は、自立して生活することで、幸せを感じられる。そのための支援を
障害のあるかたに、やりがいのある仕事と高い給料を、どうやって実現していくか。本年度は、3会場でパワーアップ フォーラムを開催しました。福岡は、より高い賃金を目指して。東京は、共に働き共に生きる、障害者の働く場。大阪は、障害のある人が、働く場に求めていること、と、それぞれ、サブテーマを設け、いま、福祉施設が抱える問題点を、講演者と、来場者が一緒に考えていきました。
冒頭で、ヤマウチ理事長は、「私は、6月に、本財団の理事長に就任したばかりですので、今日は、みなさんと一緒に学ぼう、と、ここに来ました。人は、自立して生活することで、幸せを感じられます。いま、障害のあるかたに一番必要なのは、より高い給料です。それを実現した先輩方の話を聞き、ひとつでも多くのヒントを持ち帰ってください」と、主催者挨拶をおこないました。
時流講座では、きょうされん 専務理事の藤井 克徳 氏が、3年前の、津久井やまゆり園での悲劇を振り返り、「事件の背景にある、歪んだ思想は、いまも根深く残っています」と講演。
旧優生保護法制定から、国内で約48年も続いた優生思想や、第二次世界大戦中にドイツでおこなわれた、ティー フォー作戦(脚注)などの、障害者への、言われなき迫害を説明しました。
「こうした問題を解決するには、実際に、障害者がいきいきと働き、暮らしている姿を、世間に見てもらうしかない、と、私は考えます。ディーセント ワークは、人に与えられた当然の権利です。障害のあるなしに関係なく、だれもが平等に、仕事と、給料を得られる社会を実現していきましょう」と呼びかけました。
来場者の心に響いた、当事者の声
みっつの会場では、サブテーマに合わせ、歴代のおぐら まさお 賞、受賞者が講演しました。さらに、各会場の地元福祉施設で働く6名の利用者さんが、当事者の声を発表。いま、感じている働く喜び、新たに広がってきた夢や目標などを伝えると、会場からは大きな拍手がわきました。
続いて、藤井 氏がコーディネータとなり、シンポジウムへ。来場者がいだく疑問に、登壇者は、それぞれの経験をとおして、その思いを伝えていきました。
2年目の沖縄会場
10月18日、昨年に引き続き沖縄でパワーアップ フォーラムを開催。沖縄の実行委員会が主導となり、3年計画で展開する独自のもので、当財団は段階的に応援をしています。