このページと、以下のページは音声読み上げブラウザに最適化済みです。

夢へのかけ橋実践塾

7名の塾生が旅立ち、20名が新たにスタート

夢へのかけ橋実践塾で、利用者さんの給料増額を目指してきた、第2期 楠元塾生、7名が、今年9月に、2年間の研修を終えました。そして、いま新たに、第3期 楠元塾生10名、第4期 新堂塾生10名の計20名が、それぞれの目標達成に向け、一歩を踏み出します。

楠元塾。第2期修了式、第3期開講式

塾長の真似から始めたことが、2年間でしっかり自分のものに

9月27日、28日、東京都中央区のホテル フクラシア晴海で、第2期楠元塾修了式をおこないました。

ヤマウチ理事長は、「弁当配食サービスについて学んだ、この2年間、たくさんの苦労があったと思います。それを乗り越えてきたことを誇りに、みんなが幸せになれる社会を築いていってください」と挨拶しました。

塾生たちの表情は、ひとつのことをやり遂げた充実感でいっぱいです。「メニューや、盛り付け、作業の段取り、7S の徹底など、塾長のやりかたを、見よう見真似で始めたことが、やっと自分のものになってきました」、「容器洗いしかできなかった利用者さんが、いまは包丁を持ち、弁当の仕込み作業で力を発揮しています」、「給料が上がった、と喜ぶ利用者さんを見て、この笑顔のためなら、もっと頑張れると思います」と、2年間の成果を報告しました。

楠元塾長は、「最初は弁当屋ごっこにしか見えなかったみなさんが、いまは立派な弁当屋さんですね。大切なのは、ずっと挑戦し続けること。いつでも私は相談に応じますよ」と激励の言葉を贈りました。

新塾生それぞれに合う方法を、一緒に考え、実現しましょう

同日には、第3期楠元塾の開講式をおこないました。2期生や、応援に駆けつけた1期生の報告を聞きいる新塾生の姿は、真剣そのものです。先輩の報告には、 PDCA や棚卸し、原価計算、弁当を毎日撮影し、記録するなど、新塾生には、初めて聞く内容もあります。

「弁当の写真を毎日記録しておけば、以前オードブルを購入されたお客さまが、前と同じものを、と注文された時、要望どおりに対応できますし、盛り付けなどの反省点を活かすこともできます。このように、弁当は、毎日でも改善できる事業です。お客さまがなにを望んでいるのか。一度購入されたお客さまをリピーターにするにはどうしたら良いのか。それぞれの地域で客層も食材も違いますから、塾生ひとりひとりに適した方法を、これから一緒に考え、実現していきましょう」と楠元塾長。こうして3期生の実践塾は、スタートしました。

「3期生のみなさん、ここには頼れる塾長と、同じ志を持つ仲間がいます。どんなに思いが強くても、やりかたを知らなければ、実現できません」とヤマウチ理事長。

「卒業しても、みなさんは、ひとりではありません。ここにいる仲間とのつながりがあれば、どんな失敗も、成功のかてにできるはずです」と楠元塾長。

東京から鹿児島まで10施設が参加。「美味しいだけでは弁当事業は成功しません」と話す楠元塾長の言葉に、全員が身を引き締め、今後の課題を、ひとつひとつ書き留めていきました。

塾長賞

塾長賞は、茨城県の、一般社団法人、おひさまの事業所、いい はたらくば トポス の小林綾子さんです。入塾じ に比べ、売り上げ337パーセント、1日の弁当販売数、445パーセント、給料は198パーセントに増額できました。「なんでも素直に受けいれ、自ら工夫し続ける姿は立派です」と、楠元塾長は評価しました。

「2年前、塾長賞をもらった先輩を見て、利用者さんのために、私も、と頑張りました」と、喜びを語る、小林綾子さん。

いい はたらくば トポスの2年間の成果
2017年10月2019年8月
営業日数21日19日
売り上げ733,860円2,474,003円
弁当月間売り上げ個数1,581個6,349個
いちにちあたりの弁当製造個数75個334個
固定客6社。店頭5名61社。店頭30名
利用者数15名26名
給料原資324,347円998,729円
平均月額給料21,081円41,698円

数字の重要性を改めて確認。第2期楠元塾、収支研修会

卒業後も健全な経営ができるように。8月30日、31日の最後の研修会は、原価率や、会計について学びました。弁当配食サービスの適正な原価率とは。棚卸しのやりかたがどう影響するか。その上で、メニューや、レシピをどう改善するのか。さらに、飲食業に不可欠な 7S の徹底まで、楠元塾長は、塾生の収支報告と、メニューをもとに、各人に、具体的なアドバイスをおこないました。「数字のことがわかっていないと、美味しい弁当を作っても倒産してしまいます。目標を見失わずに進み続けてください」と伝えました。

弁当製造の技術の向上と、会計の理解は車の両輪。財団が提供する収支管理システムの使いかたを学び、日々の PDCA に活かすことを学びました。

新堂塾。第4期開講式

給料増額と、利用者さんの働く力を伸ばすために

9月13日、14日、山口県宇部市の宇部興産ビル会議室で、第4期 新堂塾の開講式をおこないました。

作業分化と、ライン化で生産性を上げるとともに、仕事の見える化などで、より多くの利用者さんが働ける、環境改善も指導する新堂塾長。塾長施設は、DM を中心とした事業所です。そのノウハウは事業域を超え、これまで、3期にわたり、多くの塾生が、給料増額で成果を上げてきました。

今回、あつまった10名の塾生の事業も、ペットフード、印刷、製菓、データ入力、農業、ウエス製造、DM 事業などさまざまで、支給している月額平均給料も、6700円から、4万6000円と幅があります。

塾生たちの自己紹介を兼ねた報告を聞いた新堂塾のアドバイザー、東京学芸大学のかんの教授は、「今日の発表では、まだ、利用者さんの働く姿や、職場の問題点が見えてきませんね。次回は、事業所が目指す売り上げ数値だけでなく、利用者さんに、なにを目指してほしいのかも明確にし、報告してください」と早速、課題を提示しました。

新堂塾長は、「事業拡大や、給料増額で一番大切なのは、職員のスキル アップです。私も、最初は、みなさんと同じ、ゼロからのスタートでしたが、成長し続けてきたことで、いまがあります。これからの2年間、一緒に学び、ひとつずつ成果を出していきましょう」と呼びかけました。

事業も、環境も、給料も、それぞれ異なる10名の塾生たち。しかし、「利用者さんのために、なんとかしたい」。その気持ちはみんな同じです。

「なにを作っているのか、どう社会に役立っているのか。そこが見えてくると、利用者さんの取り組み姿勢も変わってきます」と新堂塾長。

「各事業所に適した仕事と、利用者さんの役割を決めていく。その上で、働く力を育て、伸ばしていくのが、みなさんの仕事です」とかんの教授。

目次へ戻ります。
公益財団法人 ヤマト福祉財団 トップページへ戻ります。