ピカソとその時代。ベルリン国立ベルクグリューン美術館展。
稀代のコレクター、ベルクグリューン。
美とは何か、が、根本から問い直された、20世紀。大きく揺れ動いた同時代のアートシーンを構成する貴重な作品群が、一挙に日本で公開されます。
ドイツ生まれのユダヤ人,ハインツ ベルクグリューンは、ナチスの迫害から逃れて米国に移住。大学で独文学や美術を学びました。第二次世界大戦後にヨーロッパに戻った彼は、やがてパリに画廊を開きます。画商として、ピカソらと交流を深めるかたわら、納得する作品を自ら収集、世界でも有数の個人コレクションを築きあげました。90年代に祖国へ戻った彼は、ベルリンでコレクションを公開。後に、ベルクグリューン美術館と改称され、2000年には、主要作品がドイツ政府に購入されると、ベルリン国立美術館群の一翼を担う、アートの殿堂となりました。
20世紀アートのエッセンスが一堂に。
その確かな審美ガンと、あふれる情熱を注いだコレクションに、ベルクグリューンは、彼がもっとも敬愛した、同時代の4作家を柱に据えました。ピカソ、クレー、マティス、ジャコメッティら、20世紀のアートシーンで、特別な輝きを放つ巨匠たちです。
とくに、ピカソのコレクションは目を見張る充実ぶり。ベルクグリューン美術館の開館以来、主要作品が国外にまとめて貸し出されるのは初めてです。来日する97点のうち、76点は本邦初公開で、約半数はピカソの作品。35点が日本初公開となります。これに、日本の国立美術館が所蔵する11点を加え、全108作品、20世紀美術のかなめを目の当たりにできる、希有な機会です。ヤマト運輸株式会社は、本展作品の輸送、展示に協力しています。