今につながる、大阪の芸術文化。
幕末、明治から、昭和に至るまで、近代大阪のすぐれた日本画を集めた展覧会が、昨年2月にオープンした大阪の新しいランドマーク、話題の、大阪中之島美術館で開催されます。
商工業都市として、長らく発展し続けてきた大阪。東京や京都とも異なった文化が育ち、個性的で、すぐれた芸術文化が花開きました。近代大阪の芸術の特徴は、江戸時代からの流れを汲んだ町人文化を背景に、伝統にとらわれない、多彩で自由な表現です。瀟洒でスッキリした作品から、滑稽で可愛らしいユーモアたっぷりの作品まで。幅広い才能を持つ画家たちが活躍し、画壇を大いに盛り上げました。
躍動する個性が一挙に。
人物画の名手にして、大阪画壇の中心的存在として、多くの後進を育てた、北野つねとみ。当時、悪魔派と揶揄された人物表現は、妖艶かつ頽廃的な雰囲気さえ放ちます。独学で絵を学び、若くして文展に入賞、大阪における女性画家の先駆者となったしま せいえん。浪速風俗画を確立した菅楯彦。その弟子のいくたかちょうは、大阪庶民の生活を温かく、時にユーモラスに表現した作品で大いに愛されました。日本南画院や、大阪美術学校の設立にも関わったやの きょうそんは、中国の南宗画を起源とする、南画に近代的な感覚を取り入れ、新南画という革新を巻き起こしました。
近代大阪の日本画家50人以上、約150点の作品が一堂に会す本企画は、大阪の日本画を紹介する、初にして決定版。 ぜひお見逃しなく。ヤマト運輸株式会社は本展作品の輸送、展示に協力しています。