斬新で自由奔放。ユニークさ光る。
奇抜な着想と、大胆な構図。卓抜した画力を縦横無尽に発揮した作品は、ひと目で心を奪うものばかり。
伊藤若冲、曽我しょうはくとともに、奇想の画家のひとりとして注目を集める長沢ろせつ(1754年から1799年)の生誕270年を記念し、その全貌を紹介する特別展が、大阪,中之島美術館で催されます。
江戸時代中期に活躍したろせつは、丹波篠山の武家に生まれ、円山応挙のもとに入門。みるみる才能を発揮し、師ゆずりの高度な描写力を磨く一方で、応挙には見られない斬新なクローズアップなど、人を楽しませる、サービス精神にあふれた、型破りな画風が評判を呼びました。29歳にして、当時の京都文化人の紳士録とも言える、平安人物しにも応挙らとともに名を連ねるほどでした。
圧巻の大作から、いとおしい作品の数々まで。
4つの章立てで構成される本展では、ろせつの代表作から、新たに見つかった作品まで、重要文化財、4件を含む、約100件で、奇想の天才絵師の初期から晩年までを振り返り、その魅力に迫ります。
33歳のときに京を離れて滞在した紀南で描いた、無量じの虎図襖をはじめ、ろせつが得意とした障壁画、襖絵、8作品が、ひとつの展覧会に出品されるのは23年ぶり。じつに貴重な機会です。展示では、かわいらしい犬などの作品も並び、いきいきと描かれた動物たちの姿から、ろせつの慈しみ深い眼差しを感じとることができるでしょう。また、応挙や、若冲、しょうはくなど、同時代の天才画家たちの作品も紹介し、18世紀京都画壇の息吹を伝えます。ヤマト運輸株式会社は、本展作品の輸送、展示に協力しています。