およそ四半世紀ぶりの本格的な回顧展.
帝国ホテルから迫るライトの全貌.
アメリカ近代建築の巨匠、フランク ロイド ライト(1867年から1959年)。8つの建築作品が世界遺産にも登録される、20世紀のモダニズム建築を牽引した、世界的な建築家のひとりです。工業化と科学技術が大きく進展した時代にあって、人の生活、建築と自然環境との調和を図る、有機的建築を提唱しました。
生涯で、500近い建築を残し、そのほとんどが米国での作品である一方、日本にも深いゆかりを持ち、いくつかの建築を残しました。そのひとつが、初期の集大成で、その後の転換点となった、帝国ホテル二代目本館です。
5万点を超えるライトの資料を元に進められている調査研究の、近年の成果を踏まえた本展では、1923年の、帝国ホテル二代目本館、竣工から100周年となる節目にあわせ、帝国ホテルを基軸に、7つのセクションから、ライト建築の秘密に迫ります。
みどころ満点な多彩な展示.
本展は、およそ390点もの資料、写真を駆使して構成されており、中でも、ライト肉筆の建築ドローイングは、日本初公開の貴重なもの。浮世絵の愛好家としても著名だった彼の、精緻で、華麗な筆致は必見です。
また、100年前に製作された帝国ホテルもけいを、最新のスリーディースキャン技術を用いて、精巧に複製したほか、会場では、ベアード邸(マサチューセッツ州、1940年)をお手本とした、原寸モデル(一部)も再現され、ライトの建築空間を体感することができます。
多様な文化と交流し、グローバルなデザインを紡いだライト。その先駆的な仕事は、現代においても、強いメッセージを放っています。ヤマト運輸株式会社は、本展作品の輸送、展示に協力しています。