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ヤマト福祉財団 ニュース, No. 57.

第18回ヤマト福祉財団小倉昌男賞 贈呈式。

もと IT 企業経営者、もと刑事。異色の経歴から福祉に新しい風を。

CONTENTS.

表紙写真:第18回ヤマト福祉財団小倉昌男賞受賞者の山内民興さん、松浦一樹さんが贈呈式開始前に緊張の面持ち。

日本障害フォーラムが推進するイエローリボン運動に賛同しています。

リレーコラム、夢をつないで、第8回。

NPO 法人ヒカリカナタ基金、理事長、竹内 昌彦。

アジアの子どもたちに光を。

昨年12月、ヒカリカナタ基金 (脚注) の仲間と、ネパールへ行きました。2016年12月に小倉昌男賞をいただいて、ちょうど1年後です。私は小倉昌男賞を3回いただいたと思っています。1回目は、受賞した2016年12月。2回目は、2017年5月にヤマト運輸労働組合の研修会で講演をさせていただき、私の本や DVD をたくさん買ってくださったことでした。桁違いの、莫大なお金でした。紙面をお借りして、あらためて感謝を申し上げたいと思います。そして3回目は昨年、小児白内障治療プロジェクトのカウンターパートとの調印と、現地視察のため、ネパールに行くということで、ヤマト福祉財団の瀬戸理事長をはじめ、大きな人の力と財力を支援していただいたことです。

岡山に住んでいる72歳の全盲の老人が、いくら心の中で思いを高めても何もできない。その お力があって、はじめてネパールに行くことができたし、契約も結べた、と思っています。

ネパールで印象的だったのは、ダディン郡のチャウトデウラリ、ジバンプール集落のふたつの小学校と、村の診療所にいったことです。カトマンズから、土煙が舞い上がる、でこぼこ道を、1時間以上かけて、子どもたちが学ぶ場所に行き、机に触れ、椅子に座り、「ああ、ここで勉強する子どもたちは目が不自由だったら困るだろう」と実感しました。

もうひとつは、ネパール側で治療や手術に当たるカウンターパートの、プロフェッショナル・サポート・サービス・ネパール( PSSN )のリーダー、Dr. サビナに出会えたことです。Dr. サビナは理知的で、優しい声の持ち主でした。温かい手で、しっかりと私の気持ちを受け止めてくださっているのが、よく分かりました。この人だったら安心できる、それが嬉しかった。

ネパールに行くのに飛行機の時間も長いし、でこぼこ道もあるし、私には景色も見えません。それでも、私に、しんどいなあ、といわせなかったのは、子どもの目が治る、そういう思い。それで頑張ることができました。

プロジェクトの実施は11月になりますが、目の不自由な子どもたちに、ひとりでも、ふたりでもいいから、光が与えられるようにする、それが小倉昌男さんへの恩返しだと思います。

脚注:アジアに多くいる、手術をすれば治る、白内障の子どもたちへの支援をおこなうために、竹内昌彦氏らが設立した基金。

Profile.

竹内昌彦氏: NPO 法人ヒカリカナタ基金理事長、第17回ヤマト福祉財団小倉昌男賞受賞。Dr. Sabina Shrestha, Professional Support Service Nepal ( PSSN ) 理事長。

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