ヤマト福祉財団賞

日浦 美智江さん

日浦 美智江さん

  • 社会福祉法人「訪問の家」

推薦者:深澤 忠一氏
(「訪問の家」連合保護者会)

【推薦理由】
日浦さんのまなざしは常に、重い障害を持つ本人とその家族に向けられている。彼らの表情やしぐさをみつめ、何かに心を動かされた時に見せる、笑顔や、声や、わずかな動きに心底喜んでいる。
その父母に対しては、ある時は共に泣き、ある時は叱咤激励しながら、寄り添い、支えてこられた。また障害があるゆえの、様々な不合理には強い怒りをもっておられる。いつもその現実を良しとはせず「前例がないこと、制度がないことを言い訳にすまい」と、果敢に立ち向かっておられる。
日浦さんの昨今の考えは「重い障害のある人たちが、21世紀の人間社会を拓く」に至っている。
そこに織りなされる人の関係が、20世紀に人間が置き忘れてきた、思いやり、やさしさ、信頼といったものを生み出している。その尊厳が重んじられる社会は、誰もが尊重される平和で豊かな社会だということである。

ヤマト福祉財団賞

伊澤 雄一さん

伊澤 雄一さん

  • 社会福祉法人「はらからの家福祉会」

推薦者:大谷 藤郎氏
(財団法人 藤楓協会)

【推薦理由】
民間のアパート6室を借受けた福祉的共同住居「はらからの家」は、20年前伊澤氏によってその活動がスタートした。自らアパートに住み込み、副業のアルバイトを続けながら、まさに生活のすべてをこの活動に投じてこられた。その利用者層はしだいに精神障がい者中心に移行し、全国的にも稀に見る「精神障がい者共同住居」、その地域生活支援活動の先駆けとなっていく。この住居への取り組みは、障害を持つ方々の安心・安定した生活基盤の提供であり、精神障がい者の就労を側面的に支援してきたといえる。
1997年火災事故でホーム2施設を失うという試練に会うが、伊澤氏は利用者の生活の場確保と、施設再建の先頭に立ち、再び全国の精神障がい者の生活支援活動の指標となるべくこの危機を乗り越えられた。この活動に加えて、都精神障がい者共同ホーム連絡会発足への尽力など、この領域のパイオニアとしての功績は計り知れない。