第24回 ヤマト福祉財団 小倉昌男賞

飯田 大輔さん

  • 社会福祉法人福祉楽団 理事長

略歴

1978年 千葉県生まれ

2001年 東京農業大学農学部卒業

2001年 日本社会事業学校研究科入学(2002.3修了)

      社会福祉法人豊和会(現・福祉楽団)を設立 設立メンバー

2002年 千葉県教育委員会 県立高等学校非常勤講師(~2003.3)

2006年 千葉大学看護学部看護学科入学(2011.3中途退学)

2008年 特別養護老人ホーム札の家やしお 施設長(~2012.9)

2011年 千葉大学大学院 人文社会科学研究科(2014.3修了)

2012年 就労維続支援A型 栗源協働支援センター(恋する豚研究所)開設

2017年 理事長に就任(4月)

      就労継続支援事業所B型 杜の家なりた開設

2018年 就労継続支援事業所B型栗源第一薪炭供給所開設

 

<現職>

社会福祉法人福祉楽団理事長

株式会社恋する豚研究所代表取締役

株式会社香取農業耕社(農地所有適格法人) 代表取締役

特定非営利括動法人スマホ里親ドットネット事務局長

 

<主な所属団体,研究・活動等>

東京藝術大学DOORプロジェクト企画委員(現在)

千葉大学非常勤講師(現在)

ナイチンゲール看護研究所研究員(現在)

論文・クリエイティブなケアの実践へ(週刊社会保障2014630日号)

研究・全労済協会コミュニティ経済に関する調森研究(20165月公募研究シリーズ49)

香取市「六次産業化等推進部会」委員(現在)

千葉県「エ賃向上支援チーム」委員(現在)

 

 

推薦者 馬場拓也さん

社会福祉法人愛川舜寿会 理事長

 

 このたび、社会福祉法人福祉楽団理事長飯田大輔さんを推薦させていただきます。

飯田さんは、いまに至るまで、障害者就労支援事業を新たなステージに引き上げてきた人物の一人であると感じております。養豚という地場産業と障害者雇用をつなげ、福祉を言い訳にも売りにもせず、生肉市場で正々堂々と勝負し社会の評価を(ファンを)獲得しようとする理念は、福祉業界ほかにおいても多くの事業者の目指す姿を構築しております。

 また、環境や循環エネルギーのあり方をも問題提起する自伐型林業、農業を通じたしごと づくりの実践を、力強く、そして丁寧に進めております。

 また、努力と学びを惜しまぬ人物であり、これからの日本の福祉事業や、その進むべき方向をしっかりと捉え俯廠する能力にも長けている飯田大輔さんを、同じ社会福祉法人を経営する一人として、自信をもってヤマト福祉財団小倉昌男賞に推薦させていただきます。

以上のことから、飯田大輔氏を第24回ヤマト福祉財団小倉昌男賞に推薦致します。

式典中に再生された社会福祉法人福祉楽団の紹介ビデオです。

加藤 裕二さん 

  • 社会福祉法人オリーブの樹 理事長

略歴

1954 年 千葉県生まれ

1979年 日本社会事業大学 卒業(〜1981.3)

1979年 静岡市障害児福祉センター 指導員(1981.3

1981年 宮崎障害者生活センタ 事務局長(1984 .1

1984年 自宅を開放し、小規模作業所オリーブハウス設立

      ワークホームオリーブハウス 代表(〜2003.3

1986年 オリーブハウスでクッキー、ケーキの製造販売開始

2000年 社会福祉法人オリーブの樹設立 理事長

2001年 授産施設オリーブハウス開設 アイスクリーム製造販売開始

2003年 授産施設(現障害福祉サービス事業所)オリーブハウス 施設長(4月〜)

2005年 授産施設はつらつ道場開設 弁当製造販売開始

2007年 ファーストオリーブ(クッキー)、オリーブハウス(アイス)、はつらつ道場(弁当)を就労継続支援A型事業に移行、オリーブハウスで就労移行支援事業開始

2009年 就労継続支援B型花まんまを設立 レストラン事業を開始

2019年 オリーブ轟開設 はつらつ道場、ファーストオリーブをオリーブ轟に移転しA型事業を再編

 

 

<主な法人・団体、役職>

ワークホーム連絡会会長(1992.42003.3

NPO法人千葉県障害者事業振興センター 理事長(2005.10~2019.3

きょうされん千葉支部 支部長(2007.4~2019.3

NPO法人生活サポート千葉 副理事長(2010.5月~)

NPO法人就労継続支援A型全国協議会 副理事長(2015.2~)

社会福祉法人初穂会 理事(2015.4~2019.3

NPO 法人ちばAネット 理事長(2017.10~)

社会福祉法人千葉県社会福祉事業団 監事(2017. 4〜)

 

推薦者 岡田義之

 NPO法人千葉県障害者就労事業振興センター 理事長

 

 

 加藤氏は千葉市内で6ヵ所の事業所、6ヵ所のグループホーム、地域活動支援センター等々、約250名の障害者の支援を行っている。

 1984年に自宅の一室を利用し、障害者5名とともに無認可の小規模作業所オリーブハウスを設立。当時は作業所に対する行政の補助がまったくない中、全国でもまだ珍しかった障害者の手によるクッキー・ケーキの製造・販売事業を開始し、高賃金の支給を目指した。

 「声がかかればばどこでも、いつでも出向く」をモットーに、各種イベント販売や小中学校のバザー販売にも出店。1995年には月額平均工賃6万円を達成した。

 

 1996年より社会福祉法人の設立、授産施設建設に向けての取り組みを開始。2000年には社会福祉法人の認可取得、2001年には授産施設オリーブハウス(定員30)が開所した。

 オリーブハウスでは障害者施設で全国初のアイスクリーム製造販売に挑戦。新たに弁当販売等の事業も開始し、高い収益を上げ続けた。

 2007年の障害者自立支援法に基づく新事業体系移行では、クッキー、弁当、アイス部門は高収入を上げていることから、千葉県では初の就労継続支援A型への移行を図り、働く障害者の労働者性の担保と高賃金の支給を成し遂げた。

 

 2020年から始まったコロナ禍においては対面販売を基本とするクッキーやアイスは、年間500ヵ所のすべての販売場所を失うことになり、大きなダメージを被ることとなった。この危機を克服するためクッキー、アイスのオンラインショップを開設したり、注文配達販売をすることにより、クッキー販売はコロナ以前の収益を確保し、A型事業所として利用者の最低賃金の支払いを維持することができた。残念ながら、アイスは収益維持が図れず最低賃金を払うことができなくなったため、一時、就労継続支援B型への転換を余儀なくされた。現在、アイス部門の工賃は最低賃金の6割程度になってしまったため、牛乳生産者、自然食品販売業者と連携し、六次産業化を視野に入れた新商品の開発を行い、再起を図っているところである。

 

 加藤氏はその実績や先駆的な数々の取り組みから、県内外の障害者就労のけん引役として大きな功績を上げている。1992年には、千葉市内の小規模作業所の連絡会を結成。2005年には千葉県が県内授産施設(現B型)のレベルアップや工賃向上を目指すために設立した当法人「NPO法人千葉県障害者就労事業振興センター」の初代理事長に就任し、十数年にわたり千葉県内のB型事業所の発展に寄与した。2007年にはきょうされん千葉支部長、2015年に「NPO法人就労継続支援A型事業所全国連絡協議会」の設立に参画し、副理事長に就任。2017年にはNPO法人ちばAネットを結成し理事長に就任、全国的にA型事業所の向上を図る活動を行っている。

 また、福祉の網から漏れ、犯罪に走った障害者の問題にも深く関わっており、2010年には「NPO生活サポートちば」設立にも尽力し副理事長に就任。今まで36名の触法障害者を施設やグループホームで受け入れ、就労を通して彼らの「生きなおし」を図る活動も行っている。

 

 加藤氏の約40年にわたるさまざまな功績に報いるため、当法人は加藤氏を「第24回ヤマト福祉財団小倉昌男賞」に推薦することとした。

以上のことから、加藤 裕二氏を第24回ヤマト福祉財団小倉昌男賞に推薦致します。

式典中に再生された社会福祉法人オリーブの樹の紹介ビデオです。