第25回 ヤマト福祉財団 小倉昌男賞

賀村 研さん 

  • 障がい者就労総合支援カムラックグループ 代表
  • 株式会社カムラック 代表取締役

略歴

1972年 愛媛県伊予郡砥部町生まれ

1995年 日本大学農獣医学部卒業

1995年 三菱建設株式会社入社

2000年〜2013年 ソフトウェア開発メーカー、IT関連企業等に入社 ITにとらわれない新規事業に取り組み人脈を広げる

2013年 ITに特化した『障害者就労継続支援A型事業所 株式会社カムラック」設立

2015年 Come Luck ラボ(就労継続支援A型事業所)開設

    株式会社else if設立

2016年 株式会社スーパーカムラック(特定相談支援事業)設立

    一億総活躍・地方創生全国大会in九州にパネラーとして登壇

    書籍「障がい者雇用のススメ」が発売前からAmazonランキング福祉部門で1位獲得

2019年 福岡ひびき経営者賞ソーシャル部門で経営者賞受賞

    (一社)日本未来企業研究所より未来創造企業に認定

2020年 ホップ・ステップ・カムラック!(就労継続支援B型・就労移行支援事業所)を開設

2021年 株式会社カムラックフューチャー設立

  かむらっきーず(放課後等デイサービス)開設

2022年 第12回日本で一番大切にしたい会社大賞 審査員会特別賞受賞

2023年 Come Luck ラボ西新(カムラックライト)(就労継続支援A型・B型事業所)開設 

 

 【役職】

・カムラックグループ

株式会社カムラック 代表取締役

株式会社スーパーカムラック 代表取締役

株式会社else if (エルスイフ) 取締役会長

・その他

(一社)障害者雇用基準認定協会 代表理事

(一社)全国介護事業者連盟 障害福祉事業部会本部役員 九州・沖縄ブロック支部副支部長 障害福祉事業部会福岡県支部長

(一社)中小企業事業推進機構 理事

(一社)未来アスリート発掘・スポーツ推進協会 理事

九州国際学生支援協会 理事

アイドル九州プロジェクト後援会 会長

九州地域ヒーロー ドゲンジャーズオフィシャルパートナー後援会 会長

  

推 薦 者  菊池 貞雄さん

  特定非営利活動法人コミュニティシンクタンクあうるず      理事

  バイオマスリサーチ株式会社       代表取締役社長 

 賀村 研氏は、「障がい者の雇用を増やし、自立を支援する」という思いから、2013年に福岡県福岡市に、株式会社カムラックを設立した。株式会社カムラックの就労支援の本質は、「支援」ではなく、「ちゃんと仕事を依頼する、一緒に仕事をしていく」という考え方である。

 

 ITを活用した仕事で雇用の場を創出し、いろいろな企業とコラボレーションをしながら障がい者の自立を支援する環境づくりを行っている。具体的には、障害者就労継続支援A型事業所「Come Luck.Lab」、就労継続支援B型事業所・就労移行支援「ホップ・ステップ・カムラック!」、相談支援、放課後等デイサービス事業所をワンストップで展開している。

 

 カムラックは、IT事業において健常者と変わらない成果と付加価値を納品することができる点が強みであり、カムラックでは一般的なソフトウェアの開発会社よりも高い技術力を持っていると言える。その結果として、社会保険への加入や月20万円近くの給料を支払うことができている。また、障がい児に対しパソコン教室を定期的に開催するなど、地域貢献・社会貢献にも熱心である。就労支援業界において全国でもトップレベルの事業実績を誇る同社の取り組みは、政界や他業界も含む全国から注目されている。

 

 今日に至るまで、障がい者の就労支援×ITビジネスのユニークな取り組みを行うことで、障がいのある方が社会で活躍できる環境を整えることを実践してきた。地域の就労支援事業所だから支援されるのではなく、さまざまな業界から仕事を受けて一緒に開発する、プロジェクトを進めるといった考えや発想による候補者のこれまでの取り組みは、障がいのある方がやりがいを持ち、自立した職業人を育成する機会を提供し、障がい者の新たな仕事づくりを切り開き、これからの時代に対応した職場環境づくりにおいて多大な成果をもたらしたと評価できることから、今回、ヤマト福祉財団小倉昌男賞に「株式会社カムラック 代表取締役 賀村 研氏」を推薦する。

  

以上のことから、賀村 研氏を第25回ヤマト福祉財団小倉昌男賞に推薦致します。

式典中に再生された株式会社カムラックの紹介ビデオです。

酒井 勇幸さん 

  • 社会福祉法人いなりやま福祉会 常務理事

略歴

1944年 長野県上水内郡鬼無里村生まれ

1965年 長野県立長野盲学校専攻科卒業

    社会福祉法人信濃製肢療護園分園稲荷山療育園就職

1980年 任意団体「いなりやま福祉会」を発足 週1回の「日曜作業所」を開始

1981年 「いなりやま共同作業所」を開設(長野県初の共同作業所、稲荷山療育園に勤務しながら共同作業所の運営に関わる)

2002年 「いなりやま福祉会法人設立準備会」発足

2003年 社会福祉法人信濃製肢療護園稲荷山医療福祉センター退職

    「社会福祉法人いなりやま福祉会」設立 理事長に就任

2004年 知的障害者通所授産施設「満天の星」開設

2005年 グループホーム「こんぺいとう」開設

2007年 「いなりやま共同作業所」が多機能型事業所(就労継続支援B型・就労移行支援)に移行、地域活動支援センター併設

2009年 グループホーム「たんぽぽの家」開設

2011年 「満天の星」、就労継続支援B型へ移行

2015年 グループホーム「ふっくら」開設

2017年 生活介護事業所「はなたば」開設

2019年 社会福祉法人いなりやま福祉会理事長を退任

2021年 社会福祉法人いなりやま福祉会常務理事に就任

2022年 グループホーム「いなほ」開設

2024年 社会福祉法人設立20周年記念事業開催

 

 

【主な表彰】

1985年 (社)全国病院理学療法協会 長野県支部会長表彰

1985年 埴科郡・更埴市社会福祉大会表彰

1986年 長野県知事表彰

1988年 厚生大臣表彰(身体障害者自立更生者)

2019年 更埴市長表彰(身体障害者福祉功労)

2021年 全国民営肢体不自由児施設連合会表彰

2024年 (公財)毎日新聞東京社会事業団 第54回毎日社会福祉顕彰

  

推薦者 前田きみ子

 千曲市議会議員 元同僚

 

いなりやま福祉会発足の経過

 「いなりやま福祉会」は社会福祉法人として認可されてから昨年度20周年を迎え、また、「いなりやま福祉会」が任意団体として発足してからは44年目が経過しました。「働きたい、友達がほしい、社会参加したい」という障がい者や家族の願いに基づき、1980(昭和55)年に任意団体として「いなりやま福祉会」を結成。長野県で最初の働く場となりました。発足当時は利用者さん4名で、旧稲荷山療育園医師住宅を借りて、まずは日曜作業所から開始しました。以降、その活動は障がい者運動の先駆けとして県内各市町村に広がり、多くの障がい者の働く場、「共同作業所」を生み出してきました。

 

いなりやま福祉会理事長としての功績

 酒井氏は、視覚障がいがありながら、いなりやま福祉会発足当時より旧稲荷山療育園(外来リハビリ訓練)に勤務しながら、いなりやま共同作業所の運営に役員として積極的に関わり、行政や地域との繋がりを大切に、その発展に大きく貢献してきました。

 2003(平成15)年、定年目前(59歳)で自主退職し、いなりやま福祉会法人設立準備会代表として、社会福祉法人設立に尽力。同年7月に社会福祉法人として認可され、酒井氏は初代理事長に就任しました。同時期に旧知的障害者通所授産施設建設に着手。当初、施設建設にあたっては資金繰りが大変苦しく、理事長として施設建設の募金活動や協賛金集めに奔走しつつ、個人としても多額の私財を法人に寄付し、ようやく20044月に障がいのある人たちの働く想いがつまった「満天の星」(定員20名)を開所するまでに至りました。

 また、翌2005年には長年の懸案だった「親亡き後」問題に先駆け、家族会と関係者で長年積み立ててきた貯金を資金に、理事長自ら理想のグループホームづくりを考え、陣頭指揮をとってきたグループホーム「こんぺいとう」(入居5名・短期入所1名)が開所しました。

 以後816年にわたり理事長として組織を牽引し、通所事業所3か所、現在100名の皆様に利用していただいています。グループホームは4ヵ所あり、21名の入居者が生まれ育った地域で活き活きと生活しています。酒井氏は「利用者さんに一番近いところにいたい」という想いから、自らの障がいを活かし施設作りの工夫をしながら障がいのある人達や家族の夢を一つひとつ叶えてきました。

 酒井氏は理事長退任後、常務理事として後進の育成に当たり、「利用者の皆さんが主人公」を合言葉に現在もいなりやま福祉会の先を見据えながら活躍しています。難病の視力障害をもちながら(現在ではほぼ失明状態)、自宅が施設の近くとはいえ交通量が多い道路を休みの日は4か所あるグループホームにも自ら通い、顔を出し、利用者さんの様子を見に行ったり、施設清掃やゴミ集め、更には壊れた物をいつの間にか直したりと、職員でも行き届かない細やかな業務をサポートされています。

 地域の福祉に携わり60年、酒井氏の「福祉は人なり」「地域と共に」という変わらぬ想いは、これからも千曲市の福祉推進に寄与することと確信し、ヤマト福祉財団小倉昌男賞に推薦させていただきました。

以上のことから、酒井 勇幸氏を第25回ヤマト福祉財団小倉昌男賞に推薦致します。

式典中に再生された社会福祉法人いなりやま福祉会の紹介ビデオです。