ネパール小児白内障治療プロジェクト。アイキャンプ2019と、おなご先生のネットワークづくり。
導入部ネパール小児白内障治療プロジェクト。
アイキャンプ2019と、おなご先生のネットワークづくり。
2019年のネパール小児白内障治療プロジェクトは、目が見えなくなってしまう子どもたちを、いち早く発見するため、小学校の先生たちに、がんびょうについての研修を受講していただき、ネットワークを作る試みが始まりました。
主部43名の子どもにはメガネを、7名はカトマンズで治療を。
子どもの失明防止対策を目的に、2017年12月に、ヒカリカナタ基金、ヤマト福祉財団とネパールの現地医療チーム、Professional Support Service Nepal (以下、 PSSN )の間で、プロジェクトの実施合意書を調印しました。
昨年の10月19日、20日には、2回目のアイキャンプを実施。今回は PSSN の要請により、ネパール西部のダウラギリ県バグルンでおこないました。カトマンズから空路で、観光地として有名なポカラに到着、チャーターした 4WD で僅か80キロメートルの道のりを4時間かけてバグルンに移動。 Amrit Adarsha セカンダリースクールに集まった子どもたちは、地域の幼稚園じから10年生まで531人。地元のロータリークラブには、事前の広報活動、当日の受付、裸眼視力検査など、ボランティアで参加していただきました。
今回、メガネが必要な子ども、43人、カトマンズでの再検査、治療が必要な子どもを、7人見つけることができました。メガネが必要な子どもには、その場で提供。視界がハッキリとしたときの子どもたちの笑顔がとても印象的でした。また、7人の子どもたちは、後日、カトマンズに来てもらい、無償で治療、手術をおこないます。
眼に異常のある子どもたちの情報を得るために。
アイキャンプ活動を通じて、「もう少し早く診察を受けていれば良かったのに」と医師から言われる子どもが多いことに驚きました。もし、発見が早ければ、光を取り戻すことができたであろう子どもたちがたくさんいたのです。しかし、ネパールでは、何かあったらすぐに病院に行く習慣がそもそもありません。眼に異常がある子どもたちをいち早く発見する、情報もうの整備が必要と考えました。そこで、ふるさとの村の学校で教鞭をとる、おなご先生たちに、子どもたちの貴重な情報源となってもらうため、JNFEA 、日本ネパール女性教育協会様、快諾のもと、彼女たちへの特別研修会をおこないました。
PSSN メンバーを講師として、がんびょうについての初歩的な知識、病気にかからないための眼のケアにおける教師の役割、早期治療の大切さについて話していただきました。6時間におよぶ講義でしたが、おなご先生たちは熱心にメモをとり、受講。きそんした数人のおなご先生からは、早速情報が寄せられてきました。ネットワークの形がみえてきています。
写真説明
531名の子どもたちが参加しました。
地域のロータリークラブが協力。
はじめての眼科検診に喜ぶ子どもたち。
白内障の子どもが見つかりました。
斜視の女の子は手術をおこないます。
ポカラにある、さくら寮で研修をおこないました。
6時間の講義にも熱心な、おなご先生たち。
カトマンズ医科大学、 プロフェッサー サビナ( PSSN リーダー)による講義。
一人ずつ修了証書を授与しました。
全員で記念撮影。
補足情報アイキャンプ実績。
診察 | 異常発見 | 手術必要 | |
---|---|---|---|
2018年 | 425人 | 24人 | 4人 |
2019年 | 531人 | 50人 | 7人 |
補足情報 2おなご先生とは
ネパール農山村では、男尊女卑の意識が根強く、女性に対する教育が不十分でした。これを改善するために、日本ネパール女性教育協会(以下、 JNFEA )が、ネパールの女性たちに教育を、という想いから、日本型女子師範学校を設立し、2年間の育成プログラムを通じ、2006年から10年にわたり、じそん出身の優秀な女性教師を生み出してきました。彼女たちのことを、現地では、おなご先生と呼んでいます。現在、その、おなご先生を対象に、1年に1度、観光地であるポカラに集合してもらい、フォローアップ研修をおこなっています。今回の特別研修は、そのフォローアップ研修の中でおこなわれました。